【4サイクルガソリンエンジン①】現在もっとも一般的な4サイクルエンジン
『ここをチェック』
★4サイクルエンジンはピストンの2往復で動力を得ている
★昨今はフリクションの少ない3気筒が実用車の主流に
★小排気量+過給機のダウンサイジングエンジンも流行中
現在もっとも一般的な4サイクルエンジン
車輪を回転させる力を生み出すための工程が4段階あるエンジンが、現在もっとも一般的な「4サイクルエンジン(※①)」。吸気→圧縮→膨張→排気の1サイクルをピストンの2往復(4サイクル)で行ない、動力を得る。
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①4サイクルエンジンと2サイクルエンジン
4サイクルエンジンは、吸気→圧縮→爆発→排気の4工程をピストンの2往復で行う。これに対し「2サイクルエンジン」は、吸気と圧縮、爆発と排気を同時に行い、1往復で一連の流れを完結する。同じ排気量であれば4サイクルエンジンより馬力やトルクを出しやすいし、エンジン自体も軽くコンパクトにすることが可能だ。かつては軽自動車などに採用されていたし、オートバイに積まれることも多かった。だが、排ガス規制や音量規制が厳しくなったため、現在は特殊な用途の使用だけに限定し、少量が生産されている程度だ。
最初の工程は、シリンダー内に空気と燃料(混合気(※②))を吸いこむ吸気工程。ピストンが下降し、混合気をシリンダー内に導く。次に、混合気を効率よく燃焼させるため、ピストンが上昇するのが圧縮工程。混合気が圧縮されると、ガソリンエンジンの場合は点火プラグの電気火花によって混合気に点火され、混合気が燃焼する。この工程が膨張工程だ。このときの膨張力によるピストンの直線運動をクランクによって回転力に変えることで、エンジンは出力を得る。クランクの働きでピストンがシリンダー内を上昇し、燃焼ガスを排気するのが排気工程だ。
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②混合気
エンジンの燃焼室に入る時の空気のことで、エアクリーナーボックスから入ってきた大気と、燃料噴射装置から供給された燃料が霧化され、混ざりあっている状態。このときの大気と燃料の比率を「空燃比(くうねんひ)」と呼び、空燃比は14.7:1 が完全燃焼に適した理論値。この理論空燃比状態のことをストイキと呼ぶ。ガソリン量が多いつまり濃い状態をリッチ、ガソリン量が少ないつまり薄い状態をリーンと呼ぶ。
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以前は安物イメージがあった3気筒が主力に?
ひと昔前は、3気筒エンジンというと「古い軽自動車が採用していた古くさいエンジン」というイメージだったが、昨今は3気筒こそ最新のトレンドだったりする。
エンジンの気筒数は少なければ少ないほどフリクションロス(摩擦による損失)が少ないため効率的になるわけだが、これまで3気筒エンジンはさまざまな理由により「振動」の面で問題があった。しかしバランサーシャフトで振動を消すことができるようになり、また最近おなじみのアイドリングストップ機構によってアイドリング中の振動が事実上まったく問題なくなった。
そのため今現在、1~1.3ℓあたりの実用車クラスでは効率的な新世代3気筒エンジンへの置換がどんどん進んでいる。
例題/DOHCとは何の形式か?
①エンジンのカムシャフト配置 ②サスペンション形式 ③ブレーキ形式 ④駆動方式(正解=①)
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