【ジャガー&ランドローバー①】紆余曲折しながらも歴史を守る2ブランド

『ここをチェック』
★ジャガーはサイドカーメーカーから始まった
★戦後はじまったランドローバーの歴史
★両ブランドともに現在はインドのタタグループの一員に


紆余曲折しながらも歴史を守る2ブランド

ジャガーの創設者であるウィリアム・ライオンズは、オートバイのサイドカーを作るために1922年にスワロー・サイドカー社を設立。しかしライオンズの関心はクルマの製造へと変わり、1931年にSS1を発売する。1933年には社名をSSカーズに変更。ブランド名として現在使われているジャガーが生まれたのは1935年のことになる。
スポーツモデルを中心にラインアップを充実させていったジャガーはモータースポーツにも積極的。1950年代はジャガーがル・マン24時間レースに参戦を始めた年代でもある。1951年に初参戦で初優勝。この時代のジャガーには後にナイトの称号を与えられるスターリング・モス(※①)も名を連ねている。

補足情報

①スターリング・モス

1955年以降に活躍したF1ドライバー、スターリング・モスは、50年代前半にはジャガーのワークスドライバーとしてル・マン24時間レースに参戦している。イギリスのドライバーのなかで伝説的な扱いを受け、ナイトの称号が与えられている。2020年4月12日没。


1966年「ブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)」と合併し、「ブリティッシュ・モーター・ホールディングス(BMH)」となる。しかしBMHの販売が不振となったことから、レイランドを取り込み「レイランド・モーター・カンパニー」との統合を決め「ブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレーション(BLMC)」となった。その後もジャガーは高級なスポーツカーとサルーンで人気を得る。1989年にフォード傘下に入る。
ランドローバーは第二次大戦後にローバー社が製造したランドローバーシリーズ1に始まる。つまり最初は車名であり、それが会社名となるのは1978年のこと。ランドローバーの親会社はブリティッシュレイランド、ローバー・グループ、ブリティッシュ・エアロスペース、BMWと変遷。BMWは1989年にフォードにローバーを売却。
しかしフォードの不振から2008年には、ジャガー、ランドローバーともにインドのタタグループ(※②)に売却される。

補足情報

②タタグループ

綿の貿易会社がタタグループの始まり。現在は製鉄、電力を始めさまざまな企業が属している巨大な財閥となっている。タタモータースは1945年の創立で、20世紀末あたりから乗用車開発に積極的になった。





ジャガー、ランドローバーともに英国王室御用達となる、ロイヤルワラントを与えられている

参考情報 ここもチェック!

復活が待ち望まれるアドベンチャーイベント

ランドローバーは、SUV専門の自動車メーカーということで、アドベンチャー系のイベントを積極的に支援している。なかでも有名だったのがキャメルトロフィーと言われるイベントで、クルマで目的地を目指すラリーレイド形式だが、その途中にはスキューバダイビングやクライミングなどさまざまなセクションが用意されていて、それらをライバルチームとともに協力しつつクリアしなければならない。キャメルトロフィーは1981年から1998年までランドローバーがサポート。その後、2003年、2006年、2009年には同様の「ランドローバーG4チャレンジ」というイベントが開催されたが、現在は中止。ファンからは復活が望まれている。

クルマだけでなく、人間の体力、精神力も大いに求められたアドベンチャーイベント。ランドローバーのファンがあこがれる世界的なイベントがキャメルトロフィーだった


クルマ豆知識
例題/2019年1~7月にフルモデルチェンジをしていない車種は?
①カローラスポーツ ②MAZDA3 ③タント ④N-WGN(正解=①)


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