【ボルボ①】ボルボの歴史は自動車の安全の歴史でもある

『ここをチェック』
★安全性に力を注ぐ北欧の自動車メーカー
★20世紀末から21世紀初頭まではフォードグループの一員
★現在は中国の浙江吉利控股集団が株主


ボルボの歴史は自動車の安全の歴史でもある

ボルボが最初に自動車を量産したのは1927年のこと。4気筒エンジンを積むオープンモデルは、ÖV4と命名。「Jakob(ヤコブ)」のニックネームで呼ばれることも多かった。
1949年にはボルボエステートの原型ともいえるユーティリティ性を重視したPV445デュエットが登場。1956年にはボルボ初となるオープンスポーツカーのスポーツP1900が発表される。そして1959年、ボルボを象徴する装備を備えたモデル、PV544が発表される。PV544は、今では当たり前となった3点式シートベルト(※①)を最初に装備したモデル。当時ボルボは3点式シートベルトの特許を取得していたが、誰もがこの恩恵を受けられるようにと、無償で特許を公開した。1972年には後ろ向きのチャイルドシートを発表。1976年には排ガス中の酸素レベルを計測するラムダセンサーを採用。排ガスの清浄化を飛躍的に向上した。

補足情報

①3点式シートベルト

シートベルトを最初に採用したのはアメリカのタッカーと言われる。タッカーのシートベルトは2点式で、おもに車外放出を防止するためのものだった。3点式シートベルトは衝突時の身体拘束に大きな効果を果たす。


1985年にはボルボ初のFF車である480が登場する。
1991年には現在のボルボ車の源流とも言える850が登場。850にはSIPS(※②)(側面衝撃吸収システム)と呼ばれる側面衝撃吸収システムを開発、1994年にはサイドエアバッグを開発し装着された。

補足情報

②SIPS

SIPSはSide Impact Protection Systemの略で、側面衝撃吸収システムのこと。


1999年にボルボの乗用車部門がフォードに譲渡され、プレミアム・オートモーティブ・グループの一員となる。しかし、この関係は10年と少ししか続かず、2010年には中国の浙江吉利控股集団(吉利汽車の親会社)が株主となった。




電動化を見越したハイブリッド化も進む。写真はXC90に採用されたHVによる4WD

参考情報 ここもチェック!

交通事故死亡者や重傷者をゼロにする

ボルボは同社がクルマの安全性に対するアプローチを「インテリセーフ」と呼んで取り組んでいる。ボルボが安全性に対して積極的なのはご存じのとおりだが、その目標は「2020年までに新しいボルボ車での死亡者や重傷者をゼロにする」という安全目標〝ビジョン2020〟を掲げるなど、かなり崇高なものとなっている。
ボルボはこの〝ビジョン2020〟の実現にむけ、全車速追従機能付ACC、アクティブ・ハイビームなどの装備を充実。さらにオートブレーキについては先行するクルマだけでなく、外を歩く歩行者や、自車と同方向に進んでいる自転車などに対しても働くようになっているなど、その機能の高度化は目を見張るものがある。

衝突実験をはじめとしたハード面での安全性を向上するのはもちろんだが、事故についてさまざまな調査を行い、事故原因の究明にも取り組んでいる


クルマ豆知識
例題/スバルの本工場所在地は?
①太田町 ②庄屋町 ③スバル町 ④大泉町(正解=③)


関連記事
【ボルボ②】’80年代前半までの代表モデルは?・’80年代から現在までの代表モデルは?