街を歩いていて見ない日はないといっても過言ではないくらい人気が定着してきたSUV車。ご存知の方も多いかとは思いますが、SUVとはSport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の略称で、日本語にすると「スポーツ用途の多目的車」です。
道路が整備されていない山中でのキャンプや渓流釣り、降雪路を走行する必要のあるスキー・スノーボード、砂浜を走行する機会もあるマリンスポーツなどの、アウトドアでのレジャーやスポーツに適した車であり、2015年あたりからはじまった第2次アウトドアブームもSUV人気を後押ししています。
今回はSUV車での趣味や遊びとの相性について考えていきましょう。SUVは自分には必要ないかな。と思っている方にこそ一読していただきたい内容です。日曜のちょっとしたドライブ、何か新しい趣味でもやってみようかな、と思える楽しいカーライフのヒントになる記事のはずです。
SUV人気は年々加速傾向
SUVのシェアは年々伸びており、メーカーの新規ラインナップにおいても占める割合はどんどん増えています。以前の記事にてSUVは荒地を行く為の道具としてではなく、高級カテゴリーにおいてはセダンの役割を担っており、また幅広い価格帯においてバランスの良いマルチな活躍が可能な車種としての意味合いが増している、と述べました。
しかし車のキャラクターとしてアウトドアとの親和性を訴求した車種もあります。例えば日産エクストレイル、トヨタRAV4はCMでも外遊びの楽しさを訴えています。さらにトヨタランドクルーザーやランドクルーザープラド、スズキジムニー、JEEPラングラーなど本格的なSUV人気も無視できません。
また安い価格帯の車ではありませんが、よく街で見かけるようになりました。このように街乗りだけなら一見オーバースペックな車を所有する楽しみはどこにあるのでしょうか。
見た目?使いやすさ?趣味で乗るSUV
クロカンや本格的SUVを単純なカッコよさから購入される方もいらっしゃるでしょう。むしろ多くの方にとっての検討ポイントは見た目の好みなのかもしれません。車は気に入ったものを買うべきです。見た目の好みはとても重要です。しかしこの記事ではSUVを趣味で使うパターンを考えてみたいと思います。
本格派SUVでアウトドア遊びをする。そう聞くだけでアウトドア嫌いな方でなければワクワクするのではないでしょうか。かっこいいSUVにキャンプ用品や泊りでなくてもBBQグッズを満載にしてはいかがでしょうか。そしていつもの公園に向かうのではなく、車の乗り入れが可能な河原に行くのはどうでしょうか。普通の乗用車なら手前の地面の荒れてないところでBBQ道具を広げるでしょう。しかしSUVなら多少の石河原なら突き進めるのです。
勿論、乗り入れが許可されているかきちんと調べてから行きましょう。ルールを守って楽しんでください。このような使い方はあくまで一例です。
マウンテンバイクを積んで山に向かったり、釣りに使ったりと実際は人それぞれです。林道や荒地を走ることを目的としているオーナーさんもいらっしゃいます。ご夫婦で週末に共通の趣味に連れ出してくれるSUVは最高の道具であり、2人にとっての大事なパートナーになりえます。このご時世、車に実用以外の部分でお金を出すことは贅沢であり、嗜好に伴う部分が多く占める車種を買うことは難しいかもしれません。
それでも購入するのであれば、普段使いだけでなく遊びや家族との時間の共有に、もう一歩だけ踏み込んだ使い方をしてほしい、筆者はそのように考えております。あと一歩踏み込んで何かしてみよう。そういう気持ちでSUVと向き合ったとき、移動手段としてだけでなく、自身のライフスタイルを象徴する存在となりえるのではないでしょうか。
趣味としてのSUV活用方法の一例
実際にSUVを通勤でも趣味のフィールドでも利用している筆者が、実際の使用感について述べていきたいと思います。筆者は2019年に日産エクストレイルからJEEPラングラーに乗り換えました。
ラングラーの主な使い方は通勤となりますが、趣味の範囲での運用はゴルフや釣り、アウトドア全般といったところです。私のゴルフバックは後部座席を畳まないと載りませんが、キャンプ道具等はリアハッチも直角な分、隙間なく積載できます。ただし、必ずしも広いという意味ではありません。
車内に巨大なロールゲージが張っている為に、全般的に圧迫感もあります。スペースも狭くなってしまいます。しかしそのロールゲージの存在が本物感をだしていて、非日常に連れて行ってくれるようにも思えるのです。
また家中に置き場がないということもあり、釣り竿が常に車内天井に5本程度吊るしてあります。せっかくならかっこよく積みたいという欲もあり、試行錯誤をしたものです。結局ロールゲージに布製のロッドホルダーを巻き付けることに落ち着きました。大した用がないのにコーヒーを飲みながら駐車場で釣り道具を眺めてしまいます。
私の場合、海釣りだけならば未舗装路やガレ場に行くことはほぼありませんし、海沿いの砂量の多い駐車スペースくらいのものです。
クロカンの実力を感じられるパターンとしては山林にある林道でしょうが、なかなか事故や緊急時のリカバリーを考えると気楽に行くのも難しいです。またラングラーでは少し大きいので林道を突き進むのは難しいかもしれません。(大きな車でも楽しめるパークもあります。指導を受けながら技術を学ぶのがおススメです。)
より気軽に実力の「片鱗」を楽しめるのが、先にも述べた乗り入れの許可がされている大規模な河川敷でしょうか。
筆者はよく家族と相模川の河川敷にデイキャンプに出かけます。ゴロゴロと岩が転がったり砂州の砂がひろがっていたりと、ファミリーカーでは奥まで行けないところでも突っ切ることが可能です。ハイシーズンで混んでいても場所取りに困る事がないのがちょっとした自慢です。釣りやキャンプに行ってもその場にマッチした存在感は所有感を満たしてくれます。
残念ながら日本において趣味の範囲であれば本格派のSUVはオーバースペックですし、その能力を生かすことは難しいのが現実です。それゆえにその能力と突き詰められたスペック、最適解としてのエクステリアは人を惹きつけてやまないのではないでしょうか。一生ものの付き合いを予感させる道具としてのSUV。車との素敵な付き合いを感じさせてくれるSUV。家族や友人との絆になってくれるSUV。
そんなSUVと一緒に是非、出掛けてみてください。