今回は買取り店における、査定の傾向について述べていきます。筆者のディーラー営業マン時代の経験則によるものとなりますので、必ずしもお店ごと、地域ごとの実態を反映したものではありません。また買取り専門店といっても販売店舗を構えている会社もあります。
幅広い業種があることも魅力ですが、この記事において大規模展開している会社には当てはまらないことが多い部分があります。個人店や販売も同時に行っている小規模業者、カスタムショップも兼ねている店舗も含めてイメージしていただければと思います。多くの会社、店舗、個性が魅力の業界ですので、記事とは違いがあるかもしれません。ひとつの参考、傾向としていただければ幸いです。
自動車買取り専門店、査定の特徴
買取り専門店といっても、当然販売も行う会社は多くあります。そうでなければオークションに流したり、同業内で販売したりするでしょう。売れ筋や流行の把握はもちろん、柔軟に車両を仕入れ販売を行っています。
仮に店舗販売を行っていても、在庫化の恐れがあればオークションを活用するなど、仮に利益の薄い車種でも買いを進める傾向があります。より早い仕入れ、早い販売で市場の売れ筋についていく必要があるのでしょう。
小規模業者に多い印象がありますが、買取り車をより魅力的な商品とする為にナビ等のパーツを別の車種に移し、臨機応変に商品を訴求しています。その為、対象の車がどうすればより魅力的になるのか、ユーザーが買いたがるかのノウハウが非常に豊富であり、また重要となってきます。
高く売れる車に関しては希少性も鑑み、価格をつける店舗があるでしょう。そういった車種を売るための販路、顧客層、ノウハウを有しているはずです。
嗜好性の強い車種については、その道のお店に持って行くことで車自体の価値を見定めることができるかもしれません。売れるとわかっているからこそ、高値をつけ、自信をもって買取りを行ってくれるわけです。
逆にそのような専門店に門外の車種を持って行くことは、意味がないのかもしれません。愛車をどこに持ち込むかが非常に重要になってきます。また幅広い車種の買取りを謳っている業者で、何社か査定を行うことが一般的な車種においては価格を判断する為に有効です。
自動車買取り店査定のおすすめポイント
下取り査定に比べると、全体的な査定価格は高くつく傾向にあります。
次の項でも記述しますが、車の売買を別のお店で行う場合、書類のやりとりが別々になります。しかしその面倒を我慢できるのであれば、査定価格を吟味し、満足いく査定を見つけることができるかもしれません。仮に想定している査定価格を上回れば、その分を新車のオプションに回したり、お小遣いにしたりできるかもしれません。
業態によるものの、出張査定サービスを行っている店舗も多くあります。
自身の予定に合わせて家で査定を行ってもらえるので、一日で複数の会社に査定をお願いすることもできます。
上手くスケジューリングをすれば査定価格を一度に集められるのは魅力的です。
自動車買取り店の注意点
車の買い替えを前提としており、購入店と買取り店が違う場合、手続きを別々に行う必要があります。これは明確に手間となりますし、買い換えた車の納車日まで買取られる車に乗っていられる保証はありません。車がないタイミングが生まれることになります。買い換えであれば、購入店舗で代車の交渉が必要かもしれません。
買取り店側は早く引き取りたいでしょうし、「他会社で買った車の納車日など知ったことではない。」というのが本音でしょう。勿論要交渉ですが、キズをつけてしまうかもしれませんし、走行距離が進むデメリットは買取り店にとって大きな懸念材料です。
他店で査定交渉をするまでもなく、ここで高い金額で買い取りますよ!だからすぐ車を置いていってくれませんか!というのが基本的なスタンスなのです。
そういった事情もひっくるめて、高い査定価格を出しているわけです。
一方で、まったく値段が付かない恐れがあります。明確に商品にならない、オークションに出しても落札が期待できない車種であれば査定にならない可能性があります。下取りと違い、商談に絡んでいるわけでもないので温情はありません。
生活の変わる時期は買取り価格が高くなる傾向にあります。ファミリーカーに顕著ですが、レジャー時期、春、秋、夏の季節の変わり目は市場の動きも早くなります。愛車の査定価格が良いと思えたのならば、さっと売る腹積もりが必要となってくるでしょう。
さて、今回は買取り専門店の特徴、お店側の考えについてまとめさせていただきました。個人的にお店とつながりがあれば、事情はかわってくるかもしれませんが、そういったコネクションを築いている方は多くないでしょう。お店ごとの個性を見極めたり、数多くの査定を集めたり、ユーザー側の努力が価格に反映されるかもしれません。
愛車の査定価格について考えるきっかけにしていただければ幸いです。