【撤退ブランド②】日本車を手本にしたアメリカ車/サターン・急転直下ブランド消滅が決まった/サーブ・PSAグループとなりどう変るか?/オペル・ヘビーデューティな4WDを専門に開発/ハマー
日本車を手本にしたアメリカ車/サターン
日本車に対抗するためにGMが1985年に立ち上げた新興ブランドがサターン。重厚長大が当たり前のアメリカ自動車産業とは異なるアプローチで顧客を獲得しようとしたサターンは、工場建設の際に樹木を移植するなど、環境にも配慮した企業姿勢を強調。日本車に対抗するため、メンテナンスの費用も抑えたクルマ造りなどを行った。日本への導入は、1997年。導入車種は、もっともベーシックな1・9ℓエンジンを積むSシリーズ(セダン、ワゴン、クーペ)のみ。日本車を手本に作ったクルマであったが、オリジナルの日本車を超えることはできず、2001年には日本から撤退。2009年のGM破綻に端を発し2010年にブランドは廃止となった。
ベーシックな4ドアセダンのオーラは2006年から販売が行われてきた
急転直下ブランド消滅が決まった/サーブ
サーブはスウェーデンの航空機メーカー「サーブ」の自動車部門が製造していたクルマが始まり。サーブが最初に自動車を世に送り出したのは第二次世界大戦後の1947年。1967年にはターボによる過給を乗用車に採用した。1970~80年代は好調な販売を記録したが、徐々に降下。2000年にはGMの子会社となる。しかし親会社のGM自体が経営不振となり、2010年には一旦、オランダのスパイカー傘下に入るが2011年に破産。日本では2012年で販売が終了した。ナショナル・エレクトリック・ビーグル・スウェーデン社が一部を買収し、電気自動車の開発を行っていたが、サーブブランドは使用しないことが決定。2017年にはサーブブランドが消えることになった。
ナショナル・エレクトリック・ビーグル・スウェーデンによって、EV化された9-3
PSAグループとなりどう変るか?/オペル
1863年にドイツで創業されたオペルは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間隙1931年にアメリカGMの完全子会社となる。大戦中、アメリカの親会社とドイツの子会社という関係は引き離されることになるが、戦後その関係はふたたび復活する。1962年に復活した小型車のカデットは3年間で65万台を売るなど大ヒットした。戦後、日本では東邦モーターズが輸入を担当したが、のちにヤナセに輸入権が移管、20世紀末にはGMジャパンに輸入権が移ったが、2006には日本から撤退した。
一方、2017年にはPSAがGMからオペルとヴォクソールを買収。さらにそのPSAはFCAとの合併し、現在はステランティスの扱いブランドとなってるが、日本で展開されるかどうかは不明だ。
2016年ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した最新型のアストラ
ヘビーデューティな4WDを専門に開発/ハマー
ハマーはもともと軍用車だったAMゼネラル社のハンヴィーを民生用にしたH1というモデルが最初のモデルで、1992~2006年の期間製造された。H1の輸入元はハマージャパンが担当した。全幅2・2mのH1は日本ではさすがに大きすぎたが、2002~2010年に製造されたH2は2m強にまでコンパクト化された。H1が軍用車ベースだったのに対し、H2はシボレータホをベースとした。2006~2010年に製造されたH3は全幅が2mを切った。H3はシボレーのピックアップトラックをベースとした。H2はGMジャパン、H3はGMジャパンと三井物産オートモーティブにより輸入されたが、2010年の生産終了直前に輸入中止となった。
2020年には電気自動車としてハマーを復活させることになっていたが、新型コロナウイルス騒動で発表が中止されてしまった。
トラックタイプも存在していたハマー。
参考情報 ここもチェック!
撤退したブランドのメンテナンスは?
ブランドが撤退するということは、販売を行っていたディーラーがなくなってしまうこともあり得る事態。オイル交換などはガソリンスタンドやカー用品店で可能だが、部品交換を伴うメンテナンスなどはどうすればいいのだろう。2016年撤退したフォードの場合は、撤退後のアフターサービス業務担当として「ピーシーアイ」という会社を指定している。多くはこのようにアフターサービス業務担当を決めているのである程度は安心ができる。
また、車種にこだわらずに扱っているモータースや、ディーラーでそのブランドを扱っていたメカニックが移籍した店舗などに依頼することも可能。完全に道が閉ざされるわけではない。また、今はインターネットを使ってパーツの取り寄せなども比較的楽に行える。
例題/ヒュンダイの乗用車部門が日本市場を撤退したのは何年?
①2010年 ②2011年 ③2013年 ④2014年(正解=①)
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