【2010年代の自動車①】進められたエコノミー&エコロジー路線

『ここをチェック』
★ヨーロッパからもハイブリッド車が続々と登場
★まだまだ進化を続けるガソリンエンジン
★ハイブリッド苦戦のアメリカでZEV規制が施行される

進められたエコノミー&エコロジー路線

2010年から現在までの潮流は、エコロジー&エコノミー路線の強化。ハイブリッド車および電気自動車のさらなる進化と、エンジンのダウンサイジング(※①)、そしてディーゼルエンジンなど既存のテクノロジーを磨きあげることでの低燃費化という三つだ。

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① エンジンのダウンサイジング

2000年代から始まったエンジンの排気量ダウンの波は、2010年代に本格化した。
例えば、BMW5シリーズの主力グレード528iは、初代では2.8リットルエンジンを搭載。5シリーズの2.8リットルで528というグレード名であった。欧州車はこうしたわかりやすい一定の法則を持ったグレード名をつけていた。しかし2010年あたりを境にしてこの法則が崩壊する。2013年に日本に導入された528iのエンジンは2リットルである。なんでこのようなグレードなのかというと、2リットルながら、従来の2.8リットルなみの性能を持つので528にしたというのだ。つまりダウンサイジングしたが、性能ダウンはしていないと主張なのだ。しかし、この従来の基準値をいつまで使い続けるのか? 徐々に陳腐化していると言わざるを得ない。

次世代自動車は日本車が一歩リードしていたようにも見えたが、いよいよヨーロッパおよびアメリカ勢も本気に(※②)。というのも、アメリカで「ZEV規制(※③)」が施行され、カリフォルニア州で一定以上の台数を販売するメーカーは、販売台数の一定比率を「無公害車」にしなければならないからだ。さらに厳しくなる2018年の規制に対応するため、各自動車メーカーはハイブリッド車や電気自動車を必死に開発し、登場させているというのが現状だ。

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②欧米勢も本気

海外メーカーはディーゼルエンジンで環境対策をしてきたが、2010年代に入ってから欧米勢も積極的にハイブリッド車を投入している。といっても、独自開発は費用が莫大になることもあり、共同開発やボッシュなどの他社製システムを利用するケースが多い。

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③ZEV規制

一定台数以上の自動車を販売するメーカーは、その販売台数の一定比率を排出ガスを一切出さないクルマ(Zero EmissionVehicle)にしなければならないというカリフォリニア州の規制。

エンジンのダウンサイジングは、これまでは単に排気量を小さくしながらも、過給機でパワーダウンを防ぐというのが主流だったが、昨今はエンジンの気筒数そのものを減らすクルマが増え始めている。小型車は3気筒エンジンが当たり前になり、なかには2気筒を採用するモデルもある。回転バランスのよい直列6気筒エンジンが自慢だったBMWだが、今では5シリーズでさえ4気筒が中心となっている。
既存のテクノロジーを突き詰めて低燃費を目指したクルマも多数登場している。軽量化と摩擦抵抗の低減を中心にロスを少しでもなくすことで、通常のガソリンエンジンでもまだまだ燃費性能が向上することを証明。なかには燃費が30㎞/ℓを超えるガソリンエンジン車もある。欧州ではディーゼルエンジンに関する規制が厳しくなり、減少傾向となっている。


燃費対策、環境問題への対応はスポーティなモデルにまで及ぶようになった。写真はホンダCR-Z。2017年1月に生産終了

参考情報 ここもチェック!

保守の代表的な存在クラウンにピンク色が!?

2012年のクリスマスに行なわれた14代目クラウンの発表会会場は、大きな驚きに包まれた。クラウンといえば、日本を代表する高級車。歴史も古く、伝統を大切にする数少ない日本車である。そんな保守の象徴とも言える同車がモデルチェンジを受け、大胆なスタイリングを身にまとったのだ。
アグレッシブなフロントまわりだけでも充分に衝撃的だったが、さらに驚かされたのはCMに使われたピンク色のクラウンの存在。他車でもピンクは珍しいというのに、それがクラウンなのだから発表会後のニュースで大々的に報じられたのも当然のことだろう。ピンクのクラウンことReBORNPINKは2013年9月1日から30日にかけて期間限定予約が行なわれ、約650台を受注。全国のトヨタ店を通じて販売された。

保守的と思われているクラウンだが、実は革新的な面もある。純国産にこだわった初代、クジラのようなスタイリングの4代目などなど、ピンクのボディカラーは可愛いものかもしれない

保守的と思われているクラウンだが、実は革新的な面もある。純国産にこだわった初代、クジラのようなスタイリングの4代目などなど、ピンクのボディカラーは可愛いものかもしれない

クルマ豆知識

日本のパーツメーカー/「ブリッド」 日本ではそれほど多くないアフターマーケット向けのシートメーカーで、セミバケットからフルバケットまでラインアップは幅広い。モータースポーツでもユーザーは数多い

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