【本田技研工業①】2輪で地盤を固め、満を持して4輪事業へ

『ここをチェック』
★1948年、本田宗一郎によって創業される
★早い時期から「世界」や「環境」に敏感であった
★2018年度の連結売上高は15兆円を超えた

2輪で地盤を固め、満を持して4輪事業へ

ホンダ(本田技研工業)は、本田技術研究所を基に1948年に創立されたメーカー。創業者はもちろん本田宗一郎で、販売や財務を担当した藤沢武夫と共に歩みを始めることになった。
1949年に初の2輪車であるドリームD型の生産を開始すると、1958年には世界的な超ロングセラーとなるスーパーカブを発売。バイクで地盤を固め、1963年には満を持して4輪事業に参入した。
早くから「世界」に目を向けていたホンダは、1969年に台湾に四輪車の生産工場を建てると、その後は世界各地に販売や生産の拠点を設立した。
創業時から積極的にモータースポーツに関わってきたホンダだが、そのいっぽうで環境問題への対策もいち早く取り組んでいるのが特徴。1972年に低公害エンジンのCVCC(※①)を発表し、米国の大気浄化法に世界で最も早く対応した。

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① CVCC

1972年に発表された低公害エンジンで、「複合渦流調整燃焼方式の略称。リーンバーン(希薄燃焼)させることで、排出ガス中の有害物質を少なくする。アメリカのマスキー法という規制を触媒などの後処理なしでクリアできる最初のエンジンとして米環境保護庁(EPA)に認められた。

トヨタのレクサスや日産のインフィニティに先駆け、高級ブランドを北米で展開したのもホンダの特徴。レジェンドやNSXといったハイエンドモデルをアキュラ(※②)と呼ばれるブランド名で販売。大きな成功を収めた。

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②アキュラ

1986年に北米でスタートした高級車ブランド。当初は現地開発モデルを含む6車種で展開され、販売台数の7割を北アメリカ生産車が占めた。当初は北米に特化した事業だったが、2006年には中国での販売が開始され、ロシアでの開業も計画されるなど、世界ブランドへと変化してきている。

効率的なFF車と高性能なエンジンを得意とするホンダが、現在力を入れているのがハイブリッド車と軽自動車。ホンダが得意とする分野が上手く噛み合っていて、セールスは好調。
軽自動車のNシリーズも大ヒット、2012年の国内販売シェアは日産自動車を抜いて2年ぶりに2位に返り咲いた。2014年にはエアバッグの問題があり、新車発表が遅れたが、好調な軽自動車に支えられ、業績は上向きだ。
2021年にはレジェンドに自動運転レベル3の技術を搭載したモデルを発表、限定リース販売ではあるものの市場投入を果たした。が、その直後レジェンドの廃止が報じられる。また、レジェンドの製造を行っていた狭山工場で生産されていたオデッセイやクラリティも生産を中止。さらにはアメリカ・オハイオ州で生産されていたNSXの生産も中止となるなど、生産中止が相次いで発表された。一方、独立独歩の道を歩むことが多かったホンダだが、2020年にはアメリカのゼネラル・モータースと次世代のアルティウムバッテリーを搭載したBEVの開発などで協業していくことを発表。新たな一面も見え始めている。



■青山一丁目駅すぐそばのホンダ本社ビル。4輪事業のほか2輪事業や汎用製品事業なども行なっている

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ホンダエンジン特有の「VTEC」って何?

VTEC(可変バルブタイミング&リフト機構)とは、状況に応じて吸排気のバ ルブの開閉タイミングとリフト量を変化させるシステムだ。
エンジンの回転数が低い時はバルブを小さく開き、逆に高回転時は大きく開くことで、それぞれ適量の混合気(直噴の場合は空気、以下同)を燃焼室に送りこむのが可変バルブリフト。高回転時は吸気と排気のバルブの開閉をオーバーラップさせ気流を作り混合気を素早く流し込み、低回転時は両バルブを真逆に動かし気流を止め混合気をゆっくり入れるのが可変バルブタイミングだ。
この両方を組み合わせたのがVTECで、バルブを駆動するロッカーアームを油圧駆動のピンで可変させることで、低回転域の扱いやすさと高回転域のパワーを両立させている。

■VTECは、バルブの開閉タイミングとリフト量をエンジンの回転数に応じて変化させ、吸排気量の調整を行なう可変バルブ機構のひとつ。初採用は1989年4月に搭載されたインテグラの1.6ℓエンジン

■VTECは、バルブの開閉タイミングとリフト量をエンジンの回転数に応じて変化させ、吸排気量の調整を行なう可変バルブ機構のひとつ。初採用は1989年4月に搭載されたインテグラの1.6ℓエンジン

クルマ豆知識

例題/「400R」という名称が初めて用いられたスカイラインの型式は?
① KPGC10 ②R32型 ③R33型 ④R34型(正解=③)

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