【クルマの未来はどこに 最新装備を検証する①】クルマは最終的に事故を起こさないことを目指す・ついにレーザーになったヘッドライト
『ここをチェック』
★歩行者保護はステアリング回避まで進化
★完全自動運転に向かって突き進む
★ミラーレス車やカーボンモノコックなど目に見える進化も
クルマは最終的に事故を起こさないことを目指す
クルマは生まれてからつねに進化を続けている。そうした進化のなかでも、とくに注目されているのが各種安全機構と自動運転に関係する技術や装備。
安全に関係する装備は安全運転を確保するためのもの、安全に走るためのもの、安全を予防的に確保するもの、万が一の衝突時などに安全を確保したり、被害を低減したりするものといったように分類される。
なかでも安全を予防的に確保するものは、ここ10年程度で一気に進歩をとげている。2010年にはESC(横滑り防止装置)とBAS(ブレーキアシストシステム/液圧増加装置で自動ブレーキ的なものではない)の装着が義務化された。
先行車や障害物を認知してドライバーに知らせるだけだった装置は、やがてブレーキをアシスト(※①)するようになり、今では完全停止するものもある。
補足情報
①ブレーキをアシスト
衝突防止機構のブレーキアシストは積極的にブレーキを作動させていく装置。それ以前のブレーキアシストは踏力の弱いドライバーを助けるための装置。いわば、油圧装置もバキューム装置もブレーキアシストだが、ここでのブレーキアシストとは目的が異なる。
さらに2017年にフルモデルチェンジされたレクサスLSには、アクティブ操舵回避支援と呼ばれる装置が搭載された。
同様の回避システムはホンダのレジェンドなどにも採用されている。直進で衝突しないことに比べて、ステアリング回避はセンシングしなくてはならない範囲が広くなるため、より高度な制御が求められるが、今後はさまざまな車種に拡大していくことは間違いないだろう。
ジュネーブショーに出展されたレクサスLC500h。日本では2017年に発売された
ついにレーザーになったヘッドライト
世界で最初の自動車であったベンツ1号車にはヘッドライトが装着されていなかった。しかし、やはり夜でもクルマに乗りたいというニーズは高く、クルマには早々にヘッドライトが装備されることになる。最初のライトは、いわゆるランプで、燃料を燃やして光を手に入れていた。
その後、電気式のライトに取って代わられたが、主流はフィラメントを使うものであった。ハロゲンバルブまではフィラメント式だ。
その後、キセノン(※②)とも呼ばれれる放電型が登場、さらにその後消費電力が少ないということでLEDが増加。そうしたなか、BMWはレーザー光をハイビームに採用。小さな装置で、遠くまで明るく照らすことを実現している。
補足情報
②キセノン
原子番号54の元素。元素記号はXe。希ガス元素のひとつ。自動車関連でキセノンといえば、ディスチャージヘッドライトのことで、キセノンを封入したガラス管(バーナー)の中でディスチャージ(放電)させることで、青白い光を得ることができる。
BMW i8のライトシステム。左からLEDロービーム、LEDハイビーム、LEDハイビーム+レーザーハイビーム。70km/hを超えるとレーザーも点灯した状態となり600m先までを照らす
参考情報 ここもチェック!
空気入りタイヤの悩みパンクをどうするか?
テレビのCMでも言われているように、空気入りタイヤを発明したのはダンロップ。しかし、タイヤの悩みはこのタイヤに空気を入れるという方式から始まった。それまでのソリッドゴムのタイヤでは無縁だった、パンクという事態にタイヤは晒されることになる。タイヤは空気を入れることで高い性能を得ているが、同時にパンクというマイナスの可能性をいつも抱えることとなった。これを克服するため、ランフラットタイヤなどが開発された。しかし、もしかしたら、タイヤはふたたびソリッドゴムに戻るのかもしれない。そうしたなか、ミシュランは2024にエアレスタイヤを実用化することを発表した。
①三菱ミニカ ②ホンダ・トゥディ ③スバル・ドミンゴ ④スズキ・セルボモード(正解=④)
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