【クルマの未来はどこに 最新装備を検証する②】これから先の注目の装備はなんと言っても自動運転・まだまだある最近グッと増えた装備・カーボンが作り出す新しいクルマの世界

これから先の注目の装備はなんと言っても自動運転

以前は存在せずに、今後に装備されていくものといえば、自動運転とみて間違いない。そしてその自動運転のベースとなるのがACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)だ。
クルマは「自動車」と呼ばれるだけに、ある意味自動運転は究極の姿なのかもしれない。
さて、リアルワールドではまだ自動運転と呼べるレベルには達していないのが現状だが、この先には自動運転が待っているのは紛れもない事実だ。
かつてのクルーズコントロール(※①)は、単純に速度を調整するだけのものであったが、現在のACCは先行車がいない状態では設定速度で走り続けるが、先行車がいる場合は、先行車を追従して走ることになる。先行車との間隔はレーダーやカメラなどの情報から割り出される。

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①かつてのクルーズコントロール

追従機能がない時代のクルーズコントロールは、単に速度を一定にして走るだけのものだった。日本のように車線数が少なく、交通量の多い道では役に立たないことも多く。追従型が登場したときには、多くのユーザーがやっと使える装置が登場したと喜んだ。

このACCが搭載されるようになったのは、電子制御技術が積極的に採用されるようになった1990年代。すでに20年以上の歴史を持つが、ACCがコンパクトカーや軽自動車まで拡大採用されたのは、つい最近のことだ。先進的なクルマとして知られる日産の電気自動車「リーフ」も、初代のクルーズコントロールは追従型ではなかった。

今後、ACC搭載車が増えていくのは確実だ。ステアリング制御によるレーンキープやコーナリング制御のように新しい技術が次々に採用され、ますます高度化、知能化していくのである。

 


■現行リーフ登場時のメーター。2019年にマイナーチェンジされプロパイロットの性能も大きく向上した

まだまだある最近グッと増えた装備

ちょっと前のクルマにはなく、今のクルマにある装備といえば「USBポート」。かつて、クルマの電源といえば、シガーライターソケットだったが、今は「USBポート」が主流となりつつある。ただし、USBポートは5V出力だが、シガーライターは12V。まだまだその装備がなくなることはないだろう。
視界に関する装備は進化が進み、ヘッドアップディスプレイの装着車もずいぶんと裾野が広がった。ちなみにヘッドアップディスプレイを最初に採用した国産車は大ヒットしたS13シルビアだ。
2016年6月、日本の国土交通省はミラーレスカメラを解禁した。すでにルームミラーはカメラ&モニター式(※②)が登場。2018年10月発表のレクサスESでアウターミラーのカメラ&モニター式が採用された。

補足情報

②カメラ&モニター式

カメラで撮影した映像をそのままモニターに映し出すわけではなく、一度画像処理をして見やすい状態にしてから映し出すことがこうしたシステムの需要な部分。ミラーで見るよりも見やすい状態にすることに意味がある。

カーボンが作り出す新しいクルマの世界

かつてクルマは鉄の塊だった。鉄のフレームが存在し、エンジンはもちろん、ボディやホイールも鉄であった。そこにアルミやマグネシウムなどの軽金属が使われ、軽量化が進んだ。
そうした流れのなか、登場してきたのがプラスチックなどの樹脂パーツだ。多くの樹脂パーツはボンネットやフェンダーなど構造部材でない部分に使われていたが、ここにきて注目を浴びているのがカーボン(※③)を使ったパーツ。

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③カーボン

カーボンというのは炭素のこと。炭素を繊維とした炭素繊維(カーボンファイバー)は軽くて強いことで知られている。比重で言えば鉄の4分の1、強度は鉄の10倍の性能を持っている。モノコックなどに使われる部材は、炭素繊維を編んだものに樹脂で固めたCFRPと言われるものとなっている。

カーボンは軽いだけでなく強度も非常に高いことから構造部材として使うことが可能。BMWのi3やi8はモノコックにカーボンを用いることで、大幅な軽量化を実現している。
2020年9月には日産がカーボン繊維樹脂の量産技術を発表。2024年~2025年投入の新型車から採用していくという。日産のみならず、カーボン素材の採用は増える傾向で、今後のクルマ造りでは見逃せない重要なポイントであることに違いない。

 


■フロア部分はアルミ、上部の骨格はカーボン繊維樹脂(CFRP)で構成されていたBMW i3

実用化が期待される全固体電池

これからのクルマにとって、なくてはならない技術が電動化です。電動化のポイントとなるのは電池の性能で、現在、EVやハイブリッド、プラグインハイブリッドなどにはリチウムイオン電池が使われています。この電池に使っているのは電解液という液体です。大きくて重い電解液を使わない方式の電池、それが全固体電池で、電流を発生させるために必要な電解質を、液体ではなく固体にしています。全固体電池は電解液式のリチウムイオン電池より発火性が低く、急速充電したときの電力も高められます。短時間でたくさんの電力を充電でき、同じ容量なら軽量でコンパクトに設計できるからバッテリーEVに積むには最適です。一充電の航続距離も大幅に伸ばせるなど、液体型リチウムイオン電池を超える性能を秘め、次世代のホープと期待されています。2022年に酸化物系の電池は量産化に成功しました。電池の革命児といわれる全固体電池は、自動車メーカーとともにTDKや村田製作所、マクセルなどが共同で開発を行っています。海外メーカーも熱心に開発を行っています。2020年代後半の実用化を目標に、世界中のメーカーが開発と実用化にしのぎを削っているのです。

参考情報 ここもチェック!

1981年、日本から始まったカーナビゲーションの歴史

今やクルマの装備として必需品となっているのがカーナビゲーション。このカーナビも登場した当時は、最新の装備として注目を浴びた。カーナビゲーションを最初に搭載したのは、1981年に発売されたホンダのアコードで、商品名は「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」と呼ばれた。ジャイロの名前のとおり、位置情報の表示にはGPSを使っていない。「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」は米国に本部を置く、電気・電子・情報・通信分野における世界最大の学会「IEEEが選ぶ開発から25年以上経過し、地域社会や産業の発展に多大な貢献をしたとされる歴史的業績マイルストーン」に認定された。カーナビの基本的な機能は、現在の自車の位置をもとに、目的地へ道案内してくれることである。衛星からの電波を使ったGPSによる航法とセンサー類による自立航法を組み合わせることによってカーナビの精度は大幅に高められた。最初のGPS式カーナビ搭載車は1990年だ。マツダが三菱電機と共同開発し、ユーノスコスモに搭載している。翌1991年にはパイオニアが世界で初めて汎用タイプのGPS式カーナビを発売した。1992年には世界で初めてアイシンがボイスナビの実用化に成功し、トヨタのセルシオに搭載している。2010年代になるとスマートフォンや3G通信機能を搭載したカーナビが登場し、道案内以外の機能も充実した。カーナビは今後も進化、自動運転には必要な装置である。

■画面はCRTで、前面に透明なフィルムに印刷された地図をはさんで使用した

■画面はCRTで、前面に透明なフィルムに印刷された地図をはさんで使用した

クルマ豆知識

例題/サブスクは何の一種か?
①自動車ローン ②自動車リース ③レンタカー ④試乗車(正解②) 

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