【法律で義務づけられている1年ごとの点検】法定点検の基礎知識

『ここをチェック』
★クルマは1年ごとに点検する必要がある
★1年目と2年目は内容が異なる
★新車登録2年目は1年目と同じ点検でいい

1年ごとの点検は義務だが、自分で行ってもいい

自家用乗用車の場合、道路運送車両法によって1年ごとの点検が義務づけられている。ただし初度登録から2年目の点検は1年目の点検と同じ項目となっている。1年目つまり12カ月点検として行わなくてならないのは以下の項目。当たり前だが該当しない、調整が不要な項目の点検は必要ない。

 

1.パワーステアリングのベルトの遊び量やキズ
2.ブレーキペダルの遊び量と踏み込んだときの床とのすき間
3.ブレーキの効き
4.サイドブレーキの遊び量と効きしろ
5.サイドブレーキの効き具合
6.ブレーキホースやパイプの漏れがないか、損傷や取付状態
7.マスタシリンダやホイールシリンダ、ディスクキャリパの液漏れ
8.ブレーキドラムとライニングとのすき間(ドラムブレーキの場合)
9.ブレーキシューの摺動部分とライニングの摩耗(ドラムブレーキの場合)
10.ブレーキディスクとブレーキパッドとのすき間(ディスクブレーキの場合)
11.ブレーキパッドの摩耗(ディスクブレーキの場合)
12.タイヤのキズ、亀裂、ヒビ、残り溝など
13.ホイールナットもしくはホイールボルトのゆるみ
14.クラッチペダルの遊びと切れたときの床とのすき間(MT車の場合)
15.トランスミッションの油漏れと油量
16.ドライブシャフト連結部のゆるみ
17.点火プラグの状態(ガソリンエンジン車)
18.点火時期(調整可能な場合)
19.ディストリビューターのキャップ(装備されている場合)
20.バッテリーターミナル部の接続状態
21.排気の状態(色、においなど)
22.エアクリーナエレメントの状態(汚れ、損傷など)
23.エンジンの油漏れ
24.ファンベルトのゆるみと損傷
25.冷却装置の水漏れ
26.マフラーの取付けのゆるみと損傷

 

以上のように12カ月点検の基本は目視で点検可能。点火プラグの状態は点火プラグを外して行う必要があるが、現代のクルマの点火プラグならばよほどのことがない限り、電極のすき間点検なども不要だろう。また、前方のエアバッグ、側方のエアバッグ、ブレーキ、ABS、原動機の5つの警告灯については、イグニッションスイッチをオンで点灯、始動で消灯しなくてはならず、この確認も12カ月点検に含まれています。しかし、これらの警告灯が点灯、もしくは点滅している状態のまま運転するのは危険なので、これらの警告灯が点灯、点滅した際はディーラーや整備工場で点検、修理を依頼するべきです。

 


■点検を行ったら点検記録簿に記載する。点検記録簿は車載されているものを使えばいい。ページがなくなったら、ディーラーで購入するか、テンプレートをダウンロードして印刷しても大丈夫だ

24カ月点検も基本は目視で可能だが、自分では難しい項目もある

24カ月点検は12カ月点検に加えて30項目の点検が必要だが、基本は目視で可能。ただし、ホイールアライメントは専用の計測機や道具がないと難しい項目となる。また、連番の後ろに※が付いている項目については、目視で可能だが、下まわりに潜ったり、車体をジャッキアップさせる必要があるもの、分解が必要なこともあるものなので、リジッドラックなどを所有していないと難しい項目となる。また、27の減速時排出ガス減少装置はキャブレター時代の装置なので現代のクルマには装備されていない。24カ月点検は車検前の点検になるので、自分で行うのがむずかしいと思ったら、業者に依頼するのがいいだろう。

 

1.ハンドルの操作具合
2※.ギアボックスの取付けのゆるみ
3※.ロッドやアーム類のゆるみやガタツキ、損傷
4※.ボールジョイントにあるダストブーツの亀裂や損傷
5.ホイールアライメント
6.パワーステアリング装置の油漏れと油量
7.パワーステアリング装置の取付けのゆるみ
8.マスタシリンダやホイールシリンダ、ディスクキャリパーの機能や摩耗と損傷
9※.ブレーキドラムの摩耗と損傷
10※.ブレーキディスクの摩耗と損傷
11※.フロントホイールベアリングのガタツキ
12※.リヤホイールベアリングのガタツキ
13※.緩衝装置のゆるみやガタツキ
14※.ショックアブソーバーの油漏れと損傷
15※.自在継手部のダストブーツの亀裂と損傷
16.ディファレンシャルケースの油漏れと油量
17.電気配線の接続部のゆるみと損傷
18.燃料漏れ
19.メターリングバルブの状態
20.ブローバイガス還元装置の配管の損傷
21.燃料蒸発ガス排出抑止装置の配管の損傷
22.チャコールキャニスターの詰まりと損傷
23.チェックバルブの機能
24.触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付けのゆるみと損傷
25.二次空気供給装置(EGR)の機能
26.排出ガス再循環装置の機能
27.減速時排出ガス減少装置の機能
28.一酸化炭素等発散防止装置の配管損傷と取付状態
29.マフラーの機能
30.車枠や車体のゆるみと損傷

 

■24カ月点検は下まわりの点検項目なども多い

参考情報 ここもチェック!

大型カー用品店でも行っている法定点検

12カ月点検や24カ月点検はディーラーや自動車整備工場だけでなく大型カー用品店などでも受け付けている。料金は5000円強〜2万円程度で、カー用品店などがリーズナブルで、ディーラーは高めとなっている。しかし、最近はカー用品店もディーラーもメンテナンスパックのようなセットを販売していることも多く、またクーポン券なども発行していることも多い。情報を集めることで点検費用は節約できるだろう。24カ月点検は車検前点検になるが、点検と整備をまかせて車検は自分で車検場に足を運ぶという手もある。

クルマ豆知識

例題/乗用車の初度登録時に必要な自賠責保険の有効期間は?
①12カ月 ②24カ月 ③25カ月 ④37カ月(正解=④)

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