【クルマが便利で安全になったから生まれた新しい点検】
『ここをチェック』
★特定整備という新しい制度が始まっている
★ADASを装備するクルマは要注意
★ガラス交換やバンパー脱着でもエーミングという作業が必要
ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems=先進運転支援システム)の装着車が増えてきてことにより、従来の一般整備だけでは問題が発生、もしくは一般整備を行ったために問題が発生事態が増えてきたため、「特定整備制度」という新しい制度の導入が始まっている。
ADASが装備されたクルマは被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)や車線逸脱防止機能などが装備される。これらADASはレーダーやレーザー、ソナー、カメラなどのセンサーによって障害物の有無や距離、車線の状態などを検知している。このためそれらセンサーが関連する部位の整備を行った際には、エーミング(キャリブレーション)と呼ばれるゼロ点を定義する再セッティングが必要となる。
従来、自動車の整備のうち、以下の項目について装置を取り外して整備する場合は分解整備として、整備の資格を持つ者が設備の整った工場で行う必要があった。
・原動機
・動力伝達装置
・走行装置
・操縦装置 ・制動装置 ・緩衝装置 ・連結装置
一方で取り外しを行わない整備や、車輪、ガラス、灯火装置、警音器、乗車装置については分解整備に当たらないとしていた。
この考え方自体は変わらないのだが、自動運転レベル3以上のクルマに搭載される「自動運行装置」の取り外しや作動に影響を及ぼすおそれがある整備・改造、レベル3未満に搭載される「衝突被害軽減制動制御装置(いわゆる自動ブレーキ」や「自動命令型操舵機能(いわゆるレーン キープ機能)」の前方をセンシングするためのカメラ等の取り外しや機能調整(カメラを接続したことをECUに認識させるコーディング作業や、 カメラを取り外さずに行う光軸調整など、上記の取り外しを伴わない整備・改造)については新たに電子制御装置整備作業と定めた。
また上記の「自動運行装置」や「衝突被害軽減制動制御装置」、「自動命令型操舵機能」に関わるカメラ、レーダーなどが取り付けられている車体前部(バンパーやグリルなど)、窓ガラスの脱着が行われた場合も同様に、電子制御装置整備作業となる。
今後は従来の分解整備に加えて電子制御装置整備が必須となるため、分解整備と電子制御装置整備を合わせて新たに「特定整備」として認証することになっている。この認証はすでに行われているが、現在は経過期間で令和6年3月31日までに認証を受ける必要があり、認証を受けないとこれらに関する整備が行えないことになる。
海外のサプライヤー/「BOSCH」ドイツの電装関係のサプライヤー。ハードウエアはもとより、ソフトウエアも手がける。自動車部品のサプライヤーとして、つねにシェアトップを争う位置に存在する