【ハイブリッドシステム①】主に発進時と加速時に電気モーターを加える

『ここをチェック』
★エンジンとモーターの組み合わせでエネルギー効率を向上
★外部の電力を使ってバッテリーを充電する必要がない
★コンセントから直接充電できるプラグインハイブリッドも

主に発進時と加速時に電気モーターを加える

自動車におけるハイブリッドシステムとは、エンジンと電動モーターの組み合わせによってエネルギー効率を向上させる仕組み。ちなみにハイブリッドとは「合成物」や「雑種」という意味である。
ハイブリッドシステムのポイントは、エンジンの負荷が大きくなる発進時と加速時に電気モーターを加えることで、エンジンを効率的な負荷で使用できるということ。
また定速走行時だけでなく減速時にも電気を回収する(※①)ことができ、電動モーターを作動させるための電気を蓄えられる仕組みにもなっている。つまりハイブリッド車(HV)は、従来型の自動車では捨てていたエネルギーを内部で再利用しているということ。純粋な電気自動車(EV)のように外部の電力を使ってバッテリーを充電する必要がない。

補足情報

①電気を回収する

回生ブレーキ。ブレーキ動作によって運動エネルギーが熱エネルギーに変換されると、普通は大気中に消失してしまう。しかしハイブリッド車はそれを電気エネルギーに変換し、再び動力源として回収し、蓄積する仕組みを備えている。身近なところでは電車もこの仕組みを使っている。


日本で一般的にハイブリッドカーと呼ばれるクルマは、エンジンとモーターを動力源として備えたHEV(Hybrid Electric Vehicle)で、コンセントなどから直接充電できるものはプラグインハイブリッドカー(※②))( Plug-in Hybrid Vehicle=PHV)と呼ばれる。日本車・輸入車を問わず多数のハイブリッド車が製造・販売されているが、さき
がけは何といってもトヨタプリウス。1997年に初代が登場し、2009年には3代目が登場。現在は4世代目のプリウスがヒット商品になっている。

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補足情報

②プラグインハイブリッド

コンセントから差し込みプラグを使って直接バッテリーに充電できるハイブリッド車。PHV( Plug-in Hybrid Vehicle)またはPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)と略される。とはいえ家電用のコンセントとプラグで充電できるわけではなく、専用設備を設置する必要がある。

参考情報 ここもチェック!

世界初のハイブリッドはポルシェ製だった?

量産ハイブリッドカーの歴史は1997年発売の初代トヨタプリウスから始まったわけだが、ハイブリッドカーそのものの歴史は意外と古い。
ポルシェの創始者であるフェルディナント・ポルシェ氏は1900年、パリ万博で世界初のシリーズハイブリッド車と呼べる「SemperVivus」発表。その2年後にはオーストリアのローナー社が、『ローナーポルシェ』として、これを量産に移している。
1905年には米国人H・パイパーが、エンジンの出力補助のため、40㎞/h まで加速する時にモーターの出力を使う技術で特許を取得している。しかしその数年後、エンジンの出力はモーターの補助を必要としないまでに急激に改善されたため、当時の“ハイブリッド技術”が流行することはなかった。

ポルシェ博士は1900年、ウィーンにあるローナー社の依頼を受け、ハイブリッド式パワーユニットを搭載した世界初の自動車を製造。エンジンに加え、ホイールハブに電気モーターを搭載していた

クルマ豆知識
名スポーツエンジン列伝/「L型」(日産、直4、直6) ’80年代中盤までスカイラインなどの日産車に幅広く搭載。排気量の幅は直6で2ℓから2.8ℓと広い上に、強度にも優れ3ℓ以上の排気量アップにも対応するほどだった

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