ウエイトハンデやリストリクター(吸気制限)による性能調整など、さまざまな運営努力が実り、スーパーGＴは毎年のように混戦が続いている。花形のＧＴ500クラスは、国内外のトップドライバーが名を連ね、トヨタ、日産、ホンダのワークスチームが三つ巴のバトルを演じている。スーパーＧTは2005年に始まったが、2022年までの18年でチームチャンピオンに輝いたのはトヨタが８回、日産が６回、ホンダが４回だ。
２０１１年、２０１２年はモーラチームの日産ＧＴ-Ｒが連覇したが、２０１３年はレクサス・チーム・ゼント・セルモのトヨタが勝利。２０１４年、２０１５年とはニスモがシリーズを連覇したが、２０１６年はレクサス・チーム・サード、２０１７年はキーパー・トムス、２０１８年はレイブリックＮＳＸがチャンピオンとなった。２０１９年はワコーズ４ＣＲ　ＬＣＤ５００がチャンピオンとなった。

2021年のスーパーGT500もトヨタGRスープラ、ホンダNS-X、日産GT-Rの３モデルが参戦。トヨタ勢が６チーム、ホンダ勢が5チーム、日産勢が4チームの計15チームの参戦でした。チームランキングでシリーズチャンピオンとなったのはTGRチームauトムスで、ドライバーズランキングも同チームのドライバーだった関口 雄飛と坪井翔の2名。

2022年も各メーカーのチーム数に変更はない。だが、日産は参戦マシンをＧＴ-Ｒから発表したばかりのフェアレディZに変更した。2015年を最後にトヨタとホンダの後塵を拝していた日産は激戦を制し、チームインパルのフェアレディＺがGＴ500のチャンピオンになっている。ドライバーズランキングは平峰一貴とベルトラン・バゲットが獲得した。2023年は全８戦が行われ、鈴鹿の第５戦から後半戦に突入している。３メーカーとも実力伯仲で、ＦＲ化したホンダN S Xも上位に顔をだすようになった。このホンダは７月に、2024年の新規定に合わせて開発したシビックのタイプＲ-G Tを初公開した。

■2022シーズンの前半戦、GＴ500クラスのリーダーだったＴGＲチーム・キーパー・トムスのG Rスープラは接戦の末に惜しくも王座を逃した

■2022シーズン、積極的なレースに終始し、最終戦のもてぎで優勝したチーム国光のホンダＮＳＸ

■2022年のスーパーGＴシリーズを盛り上げたNＤＤＰレーシングのフェアレディZ

メーカーのワークスチームから、完全なプライベーターまでが参戦するＧＴ３００は、日産、ＢＭＷ、ポルシェ、トヨタ……とさまざまなメーカーのマシンが優勝を経験している。

2021年のスーパーGT300も国産、輸入ふくめてさまざまなマシンが参戦した。そうしたなかチームランキングでシリーズチャンピオンとなったのは、R＆DスポーツのスバルBRZ R&Dスポーツで、ドライバーランキングは同マシンをドライブした井口卓人、山内英輝の2名。

2022年は激戦となったが、前半からランキングトップに立ったリアライズ日産自動車大学校GＴ-Ｒを擁したコンドーレーシングがチームチャンピオンに輝いている。藤波清斗とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが安定してポイントを稼ぎ、ドライバーズチャンピオンも奪取した。

■2022シーズン、前半から堅実にポイントを獲得し、チャンピオンとなったコンドーレーシングのGＴ-Ｒ

■2021年に続き、連覇を狙ったＲ＆ＤのスバルＢＲZ。速い走りを見せつけたが、惜しくも王座を逃した

■2022年シーズン、GＴ300でも速さと強さを披露し、ポイントを積み重ねたホンダN S X