【警告灯点灯は車検落ち/EDRって何だ?】
『ここをチェック』
★一定の警告灯が点灯していると車検は合格しない
★自動車にもフライトレコーダー的なものが装備される
★事故解析が重要になってくる
以前は警告灯の点灯については車検時の検査対象となっていなかった。このため、エアバッグ付きのステアリングを交換してエアバックなしにした場合なども車検を通すことができた。しかし、現在は重要な警告灯が点灯したままでは車検は通らないことになっている。また、1年ごとの定期点検においても、それらの警告灯が正しく作動するかを確認する必要がある。
正しく作動するか確認というのは、イグニッションスイッチをオンにした状態で警告灯が点灯し、エンジンを始動したら消灯することを確認するというもの。ステアリング交換によってエアバッグ警告灯が点灯するのを隠すために、エアバッグ警告灯の電球を外して最初から点灯しないようにするようなことがあったが、現在はまず点灯することが求められるため、イグニッションスイッチをオンにした状態で点灯しないものはNG扱いとなる。点灯→消灯というプロセスが行われれば何の問題もないが、最初に点灯しない、もしくは消灯しないという場合はOBD-IIポートにスキャンツールを接続するなどして故障原因を特定し整備を行い正しく作動するようにしなくてはならない。
欧米ではすでに義務化されているEDRという装置が2022年7月以降に販売される新型車について義務化される。EDRというのはEvent Data Recorderの略で、通常はエアバッグコントールユニットの中に内蔵されている。EDRはアクセル開度や加速度、フットブレーキ作動状況、ステアリングの転舵角などクルマの動きを解析可能なデータをつねに上書きメモリーし、エアバッグ作動時やしきい値を超えると上書きを停止、イベントが発生したタイミングよりも前からのクルマの動きを解析できるようなデータを蓄積している。
EDRはドイツのBOSCHのものが主流で、日本の各メーカーや欧米の多くのメーカーが採用しているが、どこのメーカーのものでなければいけないといったルールはない。ただし、蓄積すべきデータの種類や精度、さかのぼる時間などは決められている。BOSCHのEDRの場合は、CDR(Crash Data Retrieval)という装置を使ってデータを呼び出すことができるが、CDRの操作にはBOSCHが認定した資格が必要となっている。今後、ADASの普及が進むことで、従来のアナログな事故解析では正しい判断がむずかしいとしてEDRのデータを利用した事故解析については大きく注目されている。
■エアバッグコントローラーの一例。この内部にEDRが内蔵されている
■CDR900と呼ばれるBOSCHのEDR読み出し装置。扱いにはBOSCHの資格が必要
例題/JAFのロードサービスを要請する場合の正しい短縮ダイヤルは?
①#8100 ②#8112 ③#8120 ④#8139(正解=④)