【アウディ①】モダンでクリーン、高性能なドイツの雄

『ここをチェック』
★現在はフォルクスワーゲン傘下のプレミアムブランド
★4社の連合でできあがった複雑な成り立ち
★常に先進技術を積極的に取り入れる進取の気性

モダンでクリーン、高性能なドイツの雄

現在はフォルクスワーゲン傘下にあり、プレミアムブランドとしてフォルクスワーゲンと棲み分けされているアウディ。メルセデスやBMWでは飽き足らない富裕層を中心に、世界中で高い支持を得ている。
アウディの成り立ちは少々複雑だ。1899年にアウグスト・ホルヒが設立したホルヒ社に端を発するが、ホルヒは経営陣との折り合いが悪く、追放されることに。1909年に再び自動車メーカーの新ホルヒ社を立ち上げるが、旧ホルヒ社から名称についてクレームを受け、翌年に「アウディ」と改称した。
1932年になるとアウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーの4社がアウトウニオン(※①)(自動車連合)を結成。アウディはアウトウニオンの中~上級車種に付けられるブランド名となった。

補足情報

①アウトウニオン

本文のとおり4社合併でできたメーカーだが、最高級車をホルヒ、先進的な中型車をアウディ、小型車をヴァンダラー、大衆車をDKWが担うことでブランドとして残った。1985年には社名をアウディAGに変更。約半世紀にわたって親しまれた「アウトウニオン」の名は消えた。

1969年にNSUが加わってアウディNSUアウトウニオンとなり、1985年に社名がアウディとなった。なお、フォルクスワーゲン傘下に入ったのは1964年末のこと。
紆余曲折あったアウディは先進技術を積極的に取り入れることでも有名。独自の4WDシステムであるクワトロや、空力特性に優れるデザイン、アルミフレームのASF(※②)など、どれも自動車界に大きな影響を与えた技術だ。近年はSトロニックと呼ばれる2ペダルMTや、直噴ディーゼルターボのTDI、プラグインハイブリッドなどの先進技術を投入している。

補足情報

②ASF

「アウディ・スペース・フレーム」の略。ASFのボディ骨格はアルミ押し出し材を使う部材と、それを結合するダイキャストアルミ部品で構成されるスペースフレーム構造(何本もの柱でボディの骨格を形成する構造)で、そこにアルミ製のアウターパネルを組み合わせたものがASFだ。

2018年6月にはディーゼルエンジンの排ガス不正で、元会長が逮捕されるという事態となった。現在は順調にプレミアムブランドとしての地位を保っている。
アウディのコーポ―レートマーク。4つのリングは「現在のアウディとして連合する前の4社」を表わす

参考情報 ここもチェック!

「クワトロシステム」とはどういうもの?

クワトロとは、もともとは1980年に発売されたスポーツクーペの名称で、同モデルの登場以後、アウディの4WDシステムをクワトロと呼ぶようになった。
また、クワトロ社というアウディの子会社も存在しており、RSモデルの生産やカスタマイズの受注などを行なっている。
クワトロシステムはセンターデフを持つフルタイム式4WD。パートタイム式4WDが一般的だった当時、悪路走破ではなくスポーツ走行のための4WDは非常に斬新だった。
クワトロシステムは時代とともに進化し、べベルギアだったセンターデフはトルセンギアに、そして電子制御のプラネタリーギアに。50対50だった前後トルク配分も40対60を基本に、状況に応じて変化するようになった。

「4輪駆動方式は悪路を走行するため」というそれまでの常識を打ち破り、雪道などを安全に走ると同時に「スポーツ走行のための4WD」という新たな概念を完成させたのが、アウディのクワトロシスム。近年は電気モーターとの組み合わせも行われ、時代に即したものとなっている

「4輪駆動方式は悪路を走行するため」というそれまでの常識を打ち破り、雪道などを安全に走ると同時に「スポーツ走行のための4WD」という新たな概念を完成させたのが、アウディのクワトロシスム。近年は電気モーターとの組み合わせも行われ、時代に即したものとなっている

クルマ豆知識

例題/フェラーリ車でありながらフェラーリのエンブレムが付かない唯一のモデルは?
①250GTO ②ディーノ ③デイトナ ④FXX(正解=②)

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