【クルマとエンターテインメント②】TVだってクルマを扱う番組があるぞ・邦画にもクルマが光る作品がある・日本のクルマ文化には欠かせない存在のゲーム・より深い世界を感じられるのが小説・クルマジャケ写の集大成
TVだってクルマを扱う番組があるぞ
テレビにもクルマを楽しめる番組はたくさんある。クルマ好きにおなじみなのがテレビ神奈川の『クルマでいこう!』。1977年に始まった『新車情報』にそのルーツを持つ老舗番組。毎回、新車の紹介や試乗インプレッションを行う。
こうした新車情報番組はもちろん、衛星放送では旧車レストアやカスタムカー、そしてトップギヤなどの過激な番組も人気を博している。
またレースをテーマにしたドラマも存在。木村拓哉が主演したテレビドラマの『エンジン』はレースに馴染みのない人たちにも、多く見られた作品であった。
モータージャーナリストの岡崎五朗と藤島知子が出演する、テレビ神奈川のクルマでいこう!
邦画にもクルマが光る作品がある
クルマ好きならぜひとも見てもらいたい日本映画が「日本一のゴマすり男」。高度成長期の東京が舞台のこの映画、主演の植木等の役柄は外車(輸入車なんて呼ばなかった)のセールスマン。植木の勤める会社のロケ地として選ばれたのがヤナセだった。ヤナセの旧社屋はもちろん、扱っていたアメリカ車を中心とするクルマたちは一見の価値あり。クルマがあこがれの商品だった時代、しかも外車は超高級品……そんな時代を当時のまま感じられるのがこの作品のすばらしいところだ。
もう1作品紹介したいのが、角川映画の「蘇る金狼」。松田優作主演のハードボイルド作品だが、この映画に登場するのがランボルギーニ・カウンタック。早朝の東京をカウンタックが走るシーンは圧巻。東京の風景にスーパーカーが似合うということを感じさせてくれた貴重な映画と言える。撮影時は2台のカウンタックが用意され、シーンによって使い分けられた。
「日本一のゴマすり男」、DVD発売中、4500円+税、発売・販売元:東宝
日本のクルマ文化には欠かせない存在のゲーム
運転免許を持っていなくても、制限年齢に達しなくても楽しめるエンターテインメントといえば、なんといってもゲームに他ならない。
昭和のデパートの屋上では、次々と現れるカーブの道を、ハンドル操作で左右に動くミニカーをクリアしていくゲームなどがあり、子供たちは十円玉を片手に一喜一憂したものだ。
時が進み、ゲームは家庭に入ってきた。シューティングゲームやロールプレイングゲームと並んで根強い人気を誇っているのが、レーシングゲーム。
レーシングゲームには超リアルなものも存在しているが、それと双璧をなしながらも高い人気を誇るのが遊びの要素が多いレーシングゲーム。
なかでも家庭用ゲーム機の雄、任天堂から発売されている「マリオカート」は人気、楽しさともに定評がある。最新版は「マリオカート8 デラックス」。
「マリオカート8 デラックス」はNintendo Switch対応。登場キャラクターは42、収録コースは48と多彩なバリエーションを楽しむことができる。パッケージ版、ダウンロード版ともに6458円。©2017 Nintendo
より深い世界を感じられるのが小説
小説はエンタメのなかでもとくに奥の深いものと言える。クルマそのものの知見がなければ書けないし、読み手もまたクルマ好きなので、中途版場な知識で書くと作家が見透かされてしまうこともある。
そうしたなかで紹介したいのが、矢作俊彦氏初の長編小説「マイク・ハマーに伝言」。チューニングされたパトカーに追跡されたことが原因で死んだ友達の復讐のため、首都高横羽線でパトカー相手にバトルを繰り広げるという話だ。
ハードボイルドの旗手、矢作俊彦の独特の言い回しが、ストーリーをよりいっそう盛りあげる。
また1980年代に雑誌NAVIに掲載された短編を再編した「舵をとり 風上に向く者」もクルマ好きにはたまらない一冊。1台のクルマをテーマに一つの物語が書かれている。
最近はクルマがクローズアップされる小説が少なくなってきたが、かつてクルマは小説のテーマとして欠かせないものだったのだ。
マイク・ハマーへ伝言角川文庫/著:矢作 俊彦価格:571円+税/KADOKAWA刊
クルマジャケ写の集大成
クルマがテーマになっているLPやCDのジャケットのみを収録したのが「カージャケ・グラフィック」という本。クレージーケンバンドの横山剣がよせた「車があるとジャケットの画が締まるんだよね」のエッセイがすべてを物語る。クルマ好きなら知っておきたい情報だ。価格=2222円+税/三栄。