【フォルクスワーゲン①】多様なブランドを傘下に収める巨大企業

『ここをチェック』
★1937年、当時のドイツの国策企業として誕生
★タイプ1(ビートル)は累計2000万台以上の大ヒットに
★2015年、米国でディーゼルエンジンに不正判明

多様なブランドを傘下に収める巨大企業

フォルクスワーゲンは、数多くの自動車メーカーを傘下に収めるドイツ最大手の自動車メーカー。
1937年、ナチス政権の下に国策企業として誕生し、アドルフ・ヒトラーが掲げた「国民車構想(※①)」にのっとりKdFワーゲン(設計はかのフェルディナント・ポルシェ)から自動車の生産を始めた。

補足情報

①国民車構想

1933年当時のドイツ首相A・ヒトラーが、アウトバーン建設とともに打ち出した計画。まだ高価だった自動車を「国民全員が所有できるようにする」とした。大人2人と子供3人が乗車可能で、連続巡航速度は100㎞/h以上などの目標を定め、そうしてできあがったのがKdFワーゲンだった。

戦後、1945年にKdFの名称をタイプ1に改め生産を再開。積極的に輸出も行なわれ、海外生産分も含め2000万台以上が生産された。
タイプ1があまりに大ヒットしたため後継車の開発は至難を極めたが、1974年にFF・2ボックスのゴルフを登場させると、実用性の高さが評価され世界中で好調なセールスを記録。この成功によりフォルクスワーゲンは大衆車メーカーとしての地盤を固め、数々の自動車メーカーを買収し始めた。
多様なメーカーを手中に収めたフォルクスワーゲンは1990年代に入ると、自身をグループのトップに立つプレミアムなブランドと位置付ける。高い実用性をそのままに質感を高めるというクルマ作りを行ない、「新しいフォルクスワーゲン」をアピール。1998年にはベントレー(※②)を買収する。

補足情報

②ベントレー

1919年にイギリスで設立されたベントレーはプレミアムスポーツカーメーカーとして知られ、ル・マン24時間では5回の優勝経験を持つ。1931~1971年はロールスロイスに吸収され、ロールスロイスの兄弟車として扱われた。VWグループには1998年から加わっている。

古くから燃費性能へのチャレンジを続けていたフォルクスワーゲン。近年はいっそうその傾向を強め、直噴システムを積極的に取り入れたり、他社に先駆けてエンジンのダウンサイジングを敢行している。
しかし2015年、米国でディーゼルエンジンの制御に不正なプログラムを使用していたことが判明。世界的な大問題となった。近年は電気自動車へのシフトへ向けての動きが活発だ。

2018年4月からCEOとなったヘルベルト・ディース氏

参考情報 ここもチェック!

「VWグループ」にはどんなメーカーが?

傘下に収める多数の企業すべてを指して「フォルクスワーゲングループ」と呼び、VW系、アウディ系の
2系統に大別される。
VW系に含まれるのが、上で紹介しているベントレーのほかシュコダ、ブガッティ。2012年にはポルシェもフォルクスワーゲンの完全子会社となっている。

フランスの老舗ブランド「ブガッティ」。写真はシロンで最高速は420㎞/hと言われる

チェコの自動車メーカー「シュコダ」も現在はVWグループの一員となっている


クルマ豆知識
例題/2019年現在販売されていない「Modulo X」はどの車種?
①N-ONE ②S660 ③フリード ④ステップワゴン(正解=①)


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