【フォルクスワーゲン②】往年のフォルクスワーゲンの代表モデルは?・’90年代から現在までの代表モデルは?

往年のフォルクスワーゲンの代表モデルは?

空冷フラット4(水平対向4気筒)エンジン、RRレイアウトを採用するタイプ1(KdFワーゲン)から本格的な生産に取り組んだフォルクスワーゲンは、カブリオレモデルや派生車種のタイプ2(バン)、流麗なボディをまとったカルマンギアなどを続々と登場させる。
フォルクスワーゲンのクルマ作りが大きく方向転換したのは、FF、水冷直4エンジンのK70(1970年発売)からだ。このクルマでFFレイアウト車のノウハウを蓄積したフォルクスワーゲンは、1973年に中型セダンのパサートを、1974年にFF2ボックスのゴルフとスポーティクーペのシロッコを発売。この3車はイタリアの工業デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロによりデザインされたもので、スタイリングと実用性が上手にミックスされているのが特徴だ。
1975年にはフォルクスワーゲンのボトムレンジを担うポロがデビューすると、翌年にはゴルフのスポーティグレードであるGTIが登場。このゴルフのホットハッチは世界中で爆発的な人気を獲得し、どの世代のゴルフにもラインアップされるようになった。ちなみに、ゴルフの3ボックス版であるジェッタが登場したのは1979年のことだ。



タイプ1(通称ビートル)1938年の生産開始以来、2003年まで世界最多の累計2152万9464台を生産


現在の5代目まで続くエントリーモデルポロが初めて登場したのは1975年だった


タイプ2は1950年、タイプ1ベースの汎用自動車として登場。これ風のカスタムも健在


ホットモデルのゴルフGTIはやや遅れて登場。GTIの日本への正規輸入はなかった


タイプ1に代わって登場した新世代FF実用車、ゴルフ。日本ではヤナセが正規輸入した

’90年代から現在までの代表モデルは?

ポロ、ゴルフ、パサートといった根幹車種のモデルチェンジで始まったフォルクスワーゲンの’80年代。1988年に新世代スポーツクーペのコラードが登場し、フォルクスワーゲンは実用一辺倒なだけではないことを印象付けた。その路線は’90年代によりいっそう強まり、3代目ゴルフには、かつてのモデルとは段違いの高い質感が与えられることになった。
1998年に登場したニュービートルは往年の名車、タイプ1(ビートル)をモチーフとしたスタイリングが魅力のモデル。さすがに「空冷のRR車」ではなく水冷エンジンのFF車であったが、世界中で温かく迎えられ、日本だけでも8万台以上が販売された。
フォルクスワーゲンの上級志向はさらに進み、2002年にはプレミアムSUVのトゥアレグを、翌年には旗艦となるフェートン(日本未導入)を発売している。
そのいっぽうで環境に優しい小型車への取り組みも忘れておらず、ルポやup!を登場させている。2018年はゴルフ、ポロ、up!の3車にGTIを同時設定。スポーツ性を強くアピールした。


現行ゴルフのMQBプラットフォームを用いた電気自動車のeゴルフ


今やフォルクワーゲンのフラッグシップとなったパサート。ディーゼルも導入済み


up!は、質感と性能を確保しつつ1万ユーロ(約130万円)で買えることを目指して開発された


2018年3月に日本に導入された6代目のポロ。7月にはGTIも追加された

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最強グレードの証「R」という称号

フォルクスワーゲンのスポーティーグレードといえば「GTI」と決まっていたが、近年は、GTIを上回る高性能モデルに「R」の名称が与えられている。
「R」と名の付くモデルが最初に登場したのは250台限定のニュービートルR S i で、続いて4代目ゴルフにR32なるグレードが設定された。どちらも排気量3・2ℓのV6エンジンと4WDを組み合わせた、従来のイメージを覆す韋駄天だ。
当時は商品開発部門がRモデルの開発を手がけていたが、2003年に「VWインディヴィデュアル社」として独立し、5代目ゴルフベースのR32やパサートR36などを発売。
現在、Rシリーズにもダウンサイジングの波が押し寄せ、エンジンは2ℓターボとなっているが、ゴルフRの場合その最高出力は310馬力と史上最強の値を誇っている。

写真は6代目ゴルフの最強グレード「ゴルフR」。ゴルフGTI用エンジンをベースにブースト圧アップやタービンの大径化などを行ない駆動方式も4WDに。エアロパーツもR専用デザインだ

クルマ豆知識
例題/トヨタの社長専用車「センチュリーGRMN」。存在する2台のカラーの組合せは?
①黒×銀 ②黒×白 ③白×赤 ④白×銀(正解=②)

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