【タイヤ&ホイール①】現在はほとんどのタイヤがラジアルタイヤ

『ここをチェック』
★大きく分けるとラジアルタイヤとバイアスタイヤの2種類
★転がり抵抗を少なくしたエコタイヤに注目が集まる
★パンクに強いランフラットタイヤも一部で普及している

現在はほとんどのタイヤがラジアルタイヤ

安定した走行をするうえで絶対に欠かすことができないパーツがタイヤ。その4大機能といわれているのが「車体の荷重をしっかり支える(荷重支持機能)」「スムーズに走る、そしてギュッと止まる(制動・駆動機能)」「自由に曲がる(進路保持機能)」「乗り心地の快適さを保つ(緩衝機能)」ということだ。
タイヤには大きく分けて2種類の構造がある。内部のカーカス(タイヤの骨格を形成するコード層)がタイヤの回転方向に対して垂直になっている「ラジアルタイヤ」と、斜め方向になっている「バイアスタイヤ」だ。
ただ、かつては普通に存在したバイアスタイヤだが、現在ではタイヤといえばほとんどがラジアルタイヤになり、バイアスタイヤはスペアタイヤなどの一部に使われる程度になっている。
ラジアルタイヤのなかにもいくつかの種類がある。まずは通常の夏用タイヤのほかに、冬場専用となる「スタッドレスタイヤ」。昔は雪道ではタイヤに鋲(スタッド)が付いたスパイクタイヤが使われていたが、道路への影響(路面を削りながら走ることによる粉塵など)から、現在は使用されなくなった。スタッドレスタイヤは文字どおり鋲を持っていないが、ゴムの材質自体と深い溝、そしてサイプと呼ばれる細かい溝により、積雪路でも凍結路でも雪道でも安定した走りが可能になる。
また、空気圧がゼロになっても所定のスピードで一定距離走行できるのが「ランフラットタイヤ(※①)」。転がり抵抗(※②)を少なくすることで燃費向上に寄与する、俗にいう「エコタイヤ」も注目を集めている。

補足情報

①ランフラットタイヤ

現在流通しているランフラットタイヤはほとんどが「サイドウォール強化タイプ 」。タイヤのショルダー部(サイドウォール)の剛性を強化したもので、気体が抜けた後はこの部分でタイヤの形状を維持し支える。弾性不足による乗り心地の低下、重量車の荷重には耐えられないのが難点。

②転がり抵抗

タイヤなどの球や円筒状の物が転がる時に、進行方向と逆向きに生じる抵抗力。 低転がり抵抗の小ささを追求するとタイヤの摩擦力は低下するため、このふたつの性能は相反する。最新の低燃費タイヤ(エコタイヤ)は、その相反する課題を解決するためにさまざまな工夫をこらしている。


タイヤの最も内側にはホイールと接するビード部があり、骨格にあたるのがカーカス。その外側ではブレーカーとベルトがカーカスを補強している。路面と接するのがトレッドで、側面部分はサイドウォールと呼ばれる

参考情報 ここもチェック!

なぜタイヤの色は"黒"なのか?

タイヤの色が黒いのは、カーボンブラック(黒煙)が混合されてるから。ゴムにカーボンブラックを加えると、ゴムの分子と分子を強くつなぎ合わせることで、ゴムの強度を劇的に向上させることができる。
かつてはカーボンブラックはタイヤにとって必須の原料であったが、現在はカーボンブラックに代わってシリカという物質がゴムの分子をつなぐための材料として使われることが多い。カーボンブラックを用いずとも、シリカのみでタイヤのゴム(コンパウンド)を形成することも可能だが、クルマのパーツとしてのタイヤはやはり黒いことで全体を引き締める役割も持つため、あえてカーボンブラックを加えてタイヤを黒くしている場合もある。

今やタイヤの色はいかにでもコントロールできる時代になった。自転車用タイヤなどではさまざまな色のタイヤが販売されている。

クルマ豆知識
名スポーツエンジン列伝/「C型」(ホンダ、直4) 1985年に登場したレジェンドに初搭載。1990年にNSXに搭載された際にはVTEC、DOHC化され、3ℓでありながら8000回転を可能にした。最大排気量は3.5ℓ

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