【自動車リサイクル法】廃車されるまでは使われないお金がある
『ここをチェック』
★2005年1月から始まったルール
★クルマごとに料金が異なる
★買ったら払う 売ったらもらう
クルマを登録する際に必要なリサイクル預託金
クルマを購入する際にはリサイクル預託金というものを支払わないとならない。これは自動車リサイクル法という法律に基づいたルールだ。自動車リサイクル法の正式名称は「使用済自動車の再資源化等に関する法律」という。最終的に使用が終了した自動車は金属などがリサイクルして資源となる一方、爆発処理を行わないとならないエアバッグやシートなどのシュレッダーダスト、エアコンのフロンなどについては資源としてリサイクルが難しく、有料で処分を行わないとならない。リサイクル時に料金を徴収するのは難しいので、登録時に前もって預託金という形で徴収しておくというシステムが採用されている。
エアバッグの数やエアコンに入っているフロンの量、発生するシュレッダーダストの量などはクルマによって違う。また、同じ車種でもグレードが異なると装備に違いがあるから、リサイクル預託金の金額が異なるなど、設定内容はかなり細分化されている。経済産業省が発表しているおおよその金額は、以下のとおりだ。
●軽・小型乗用車(コンパクトカー)/エアバッグ類4個、エアコン有り
7000円〜1万6000円程度
●普通乗用車/エアバッグ類4個、エアコン有り
1万円〜1万8000円程度
●中・大型トラック/エアバッグ類2個、エアコン有り
1万円〜1万6000円程度
●大型バス/エアバッグ類2個、エアコン有り
4万円〜6万5000円程度
今後、電動化が進むとバッテリーのリサイクルやリユースについてはいくつかの方法が考えられます。リサイクルという考え方なら、バッテリーを分解して素材を再利用するという方式になるでしょう。一方で、自動車用バッテリーとしては能力が低下したものの、定置型バッテリーとしては十分な能力を備えるものはバッテリーとしてリユースという方式も広がってくる可能性があります。そうしたときに、重要なのはバッテリー単体としてではなく、制御システムまでが管理され、安全性を確保することになってきます。
■クルマはリサイクルも大事。写真はワイヤーハーネスをリサイクルするため、廃車から引き出している様子
この制度は2005年1月から始まっていて、2005年1月以降に登録を行ったクルマ、もしくは継続車検を受けたクルマは預託金を支払っている。しかし、2005年1月以降に登録も継続もされていない場合(2004年12月以前に車検が切れたクルマを放置した場合など)はリサイクル預託金が預託されていない。このため、中古車情報サイトなどではリサイクル預託金が預託済みだが支払金額に含まれていない場合は「リ済別」、預託済みで支払金額に含まれている場合は「リ済込」、預託されていない場合は「リ未」といった表記がされることもある。
預託金はクルマが廃車となり解体される際に使われるお金を前払いしているもの。なのでクルマを使うために売った場合は、買った人は売った人に預託金を支払わなくてはならない。たとえば最初の所有者がAで、その後順番にDまで売られてDが廃車にした場合はCはBに、BはAに預託金を払う。Dはその預託金を使って廃車にするという考えだ。
リサイクル預託金を支払うとリサイクル券が発行されるので、車検証と一緒に保管して置くことが大切だ。また、廃車予定で売却した自分のクルマがきちんと廃車されたかどうかについては、下記より検索することが可能。この検索ができるように、車検証はコピーを取っておくことが大切だ。
http://www.jars.gr.jp/gus/exju0010.html
■リサイクル費用は預託金という形で、廃車されるまで引き継がれる
名レーサー人物録/「服部尚貴」1966年、三重県出身。ダートトライアルでモータースポーツデビュー後、1991年にはF1にもスポット参戦。アメリカではCARTにも参戦し、引退後はスーパーGTのオブザーバーも務める