【トミカの世界②】トミカのこだわり(ギミックの意味)・トミカのこれから

トミカのこだわり(ギミックの意味)

毎月2台の新商品が投入されるトミカ。その1台の開発期間は、およそ10か月弱。このため、新型車をモデル化するのは、実車の発売より遅くなるのが普通だ。しかし、時に新車投入直後に発売されるものもある。この秘密は、自動車メーカーからの協力で、新車発売前に必要なデータが提供されることがあるため。自動車メーカーも、トミカが自動車人気に一躍買っていると感じているからだろう。
そんなトミカがモデル化するのは、何もクルマだけに留まらない。これも手に取れる小さな乗りもの博物館を目指すトミカのこだわりから。重機やヘリコプターなどがラインアップに含まれるのはこのためだ。また子供が好む「乗りもの」、「食べ物」、「動物」の3要素を組み合わせた独自の商品展開も行っている。
例えば、トラックの荷台にハンバーカーを積んだ「トヨタタウンエース ハンバーガーカー」やパンダを荷台に載せた「動物運搬車」は、実在しないものだが、子供たちに大人気なのだ。
トミカといえば、ドアやボンネットが可動するギミック(※④)も特徴のひとつ。このギミックも、モデル化する乗り物の特徴的な部分を選んでいるという。ミニバンはリヤゲート、タクシーなら左後部ドアといった具合だ。なかには無可動のものあるが、これにはデザインの再現性を優先などの別の目的があるから。題材となった乗りものの役割や特徴を最大限アピールできるように考え抜かれている。またトミカには、ドアミラーがない。これも子供の安全性を考慮してのこと。握りしめても、手を傷つけることがないようになっている。

補足情報

④ギミック

子供が最初に手に入れる愛車として、ドアやボンネットの開閉など実車同様のリアルさがトミカには与えられた。単に集めて遊ぶだけでなく、トミカはクルマが持つ機能の意味を理解できるように配慮されていた。

さて、トミカのもうひとつの主役はイラスト付きの箱だが、これもトミカ独自の子供の手に収まる大きさとなっている。発売以来、縦と横の幅は変更されておらず、商品の形状に合わせた2種類の高さが用意されている。箱以外に中身が見えるブリスターパックもあるが、これは販売店が売り場に合わせて選択しているそう。しかし、ブリスターパックの歴史も古く、発売直後の70年代から展開。ただ人気は圧倒的に箱タイプの方が高く、出荷数も断然多いという。これは、購入後もトミカの収納箱として使えるほか、綺麗なイラスト付きなので、子供から大人まで大切に取っている人が多いそうだ。

 


モデル化するクルマの特徴を活かした可動部を再現。はしご付き消防車は、梯子が伸びる。

 


乗用車だけでなく働くクルマや重機まで、乗り物の世界が凝縮されているのがトミカだ

トミカのこれから

誕生から50年を迎えた今、トミカで育った子供たちは、自分の子供や孫を持つようになり、親子3世代で楽しむユーザーも増えてきた。そんな彼らが再びトミカを手にしたとき、懐かしさを覚えるだけでなく、大人にも楽しんでもらえるように送り出されたのが、2015年発売の「トミカプレミアム」。
愛らしいトミカサイズながら、徹底的にフォルムやディテールにこだわったというだけあって完成度は高く、エアロパーツやエンブレム、ホイールまでしっかりと再現されている。ラインアップも「ランボルギーニ・カウンタックLP500S」や「日産スカイラインGT−RV−SPECⅡニュル」など、クルマ好きを唸らせるものばかり。
2018年のおもちゃショーには、43分の1サイズのランボルギーニ・カウンタックLP500SがトミカRSというネーミングで参考出品された。これは大人がより楽しめるトミカの新シリーズとして提案されたもので、エンジンフードやガルウイングドア、リトラクタブルヘッドライトなどが可動式となっていた。

 


トミカで育った大人たちに向けた「トミカプレミアム」。細やかな作り込みが魅力だ

参考情報 ここもチェック!

子供たちの祭典トミカ博と東京モーターショー

子供たちのモーターショーといえる「トミカ博」は、誕生30周年の節目であった2000年よりスタート。毎年、全国各地で開催され、新商品だけでなく、懐かしのトミカも展示。さらに体験型のアトラクションなども楽しめるトミカの遊園地的存在だ。来場者には、お土産として入場記念トミカがプレゼントされている。
クルマとのかかわりが深いトミカだけに、様々な自動車イベントにも積極的に出展。特に、東京モーターショーや東京オートサロンといったビッグイベントには、新商品の発表や先行販売が行われることもあり、会場でしか販売されないオリジナルのトミカも用意されることもある。
どの会場でも子供から大人まで幅広いトミカファンの長蛇の列ができるほどだ。
2020年はトミカ誕生50周年ということで、さまざまなリアルイベントが予定されていたものの新型コロナウイルスの影響で各種イベントは中止となってしまった。
そうしたなか、2020年は9月19日~10月11日に 大阪府枚方市のひらかたパーク内でトミカ博を開催。2021年も7月22日〜10月24日の予定で「トミカ・プラレールフェスティバルin ラグーナテンボス 2021」を開催中であったが、8月27日から9月12日の期間は中止となった。

クルマ豆知識

例題/バッテリー上がり時に最初にケーブル接続する場所は次のうちどれが正しい?
①救援車のプラス ②バッテリー上がり車のプラス ③救援車のマイナス ④バッテリー上がり車の金属部(正解=②)

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