【ディーゼルエンジン①】点火プラグなしで空気と軽油を燃焼させる

『ここをチェック』
★混合気ではなく空気のみを圧縮し、そこに軽油を噴射
★したがってディーゼルエンジンに点火プラグはない
★ガソリンエンジンよりもエネルギー効率が良い

点火プラグなしで空気と軽油を燃焼させる

ディーゼルエンジンは(自動車用の場合)軽油を燃料とする4サイクルエンジン。4サイクルガソリンエンジンと同じ工程で動力を生み出すが、ガソリンエンジンとは圧縮と燃焼の工程が異なる。ガソリンエンジンと比べて高出力で燃費がいい(※①)という特徴から、大型トラックはほぼディーゼルとなる。

補足情報

① 燃費がいい

軽油はガソリンよりも発熱量が高く、そしてディーゼルは圧縮比(ピストンが吸い込んだ混合気をどれくらい圧縮させるかという比率)も約2倍。また、ガソリンエンジンの空燃比は14.7:1だが、ディーゼルは30~60:1という非常に希薄な燃料で燃焼させることができる

ディーゼルエンジンの場合、圧縮するのは混合気ではなく空気のみ。軽油の特性から、圧縮によって高温になった空気に軽油を噴射するだけで気化と燃焼が可能なのだ。また、ガソリンエンジンでは“瞬間的に”混合気が燃焼するが、ディーゼルエンジンでは気化と燃焼が“連続的に”起こるため、ピストンを押す時間が長いという特徴がある。この点が、「ディーゼルエンジンはエネルギー効率がいい(※②)」という大きな特徴を生み出しているのである。

補足情報

②エネルギー効率がいい

上記①の「軽油は熱量が高い」ということに加え、 高回転運転には不適だが、その代わり実用トルクの発生回転数がガソリンエンジンに比べて低くフラットであるため、低回転でも十分な出力が得られる。実用回転域が下がることで機械的な損失が減り、燃費の向上にも寄与する。

参考情報 ここもチェック!

「コモンレール方式」とはどういうもの?

「コモンレール」とは、高圧化した燃料またはエンジンオイルを蓄え、各インジェクターへ均一に与えるための部屋のこと。
従来のディーゼルは噴射ポンプで噴射時期と時間を制御し、噴射したい時に加圧と圧送をしていた。しかしコモンレール方式ではポンプで加圧した状態を保持し、噴射したい時に電子制御で噴射する。高圧で燃料を噴射することでPMや黒煙を低減でき、電子制御で噴射の圧力や時期、量をきめ細かく制御することで、NOxを低減できるわけだ。
従来の噴射ポンプの場合、噴射圧力はエンジン回転数に比例しており、低回転域では噴射圧力を上げることが困難だった。しかしコモンレールシステムはエンジン回転数に関係なく噴射圧力を制御できるのである。

最新の排出ガス規制に対応した、ディーゼルエンジンで主流となる噴射方式で。「蓄圧式」とも呼ばれる。燃料の加圧はサプライポンプが行ない、噴射制御はECUによる電磁式インジェクターが行なう

最新の排出ガス規制に対応した、ディーゼルエンジンで主流となる噴射方式で。「蓄圧式」とも呼ばれる。燃料の加圧はサプライポンプが行ない、噴射制御はECUによる電磁式インジェクターが行なう

クルマ豆知識

例題/軽油は何用の燃料か?
①EV ②軽自動車 ③ディーゼル車 ④ガソリン車(正解=③)

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