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【コラム】工藤貴宏のジドウシャ・ジャーナリスト日記 ~2018年9月~

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気がつけばすっかり秋。年をとると月日が流れるのが早いはやい(笑)。というわけで9月を振り返ってみると、輸入車のイベントが多かった印象ですね。千葉の優雅なグランピングスポットでボルボの新ワゴンV60に初対面し、河口湖でアメリカンラグジュアリーの神髄に触れ、軽井沢でベンツの進化を実感。充実の日々はまだまだ続きます。

【9月10日】自動車運搬船はまるで巨大な立体駐車場だった

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遅れて販売がスタートした新型フォレスターのハイブリッドモデル「e-BOXER」を試乗。モーターの出力が小さいから自己主張は控えめで、走行感覚はトヨタ・プリウスなどの「モーターとエンジンが協調して走っているよ」ではなく、あくまでエンジンがベースでそこにモーターのトルクが加わる感じ。

いかにもハイブリッドカーらしい感覚を求める人には向かないけれど、その感覚があまり好きではない人にマッチングがいいのが特徴だと思う。動力性能的には2.5Lエンジン車のほうが上だけど、モーター走行時の滑らかさなど快適性はハイブリッドの勝ち。

試乗レポートは「response」や「&GP」で。

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そしてこの試乗会のハイライト!?は「船積み見学会」。試乗会場の隣がスバルの輸出船積み基地で、船にクルマを積み込む様子や自動車運搬船の内部を見せてもらえるというのだから興味津々。社会科見学は、年を重ねても楽しいね。
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左右間隔は10cm、前後は50cmの空間を空けて正確かつスピーディにクルマを止めていく様子はまさに職人芸。普通車を約3400台積めるというこの船の内部は、まるで巨大な立体駐車場のようでした。

【9月12日】クロスビーの魅力を再発見

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コンパクトカーを何台か集めて、恒例の「モーターファン別冊ニューモデル速報 コンパクトカーのすべて」の撮影(それにしても長い雑誌名だ!)。

前日から車両搬送を兼ねてスズキ・クロスビーに乗っていたんだけど、パワートレインのダイレクト感が高くて驚いた。まるでMTのように、エンジン回転上昇と車速上昇がしっかりリンクしていて爽快なのだ。どうしてだろう?と考えてみたら、このクルマがCVTではなく6速ATを採用しているということに気が付いた。そしてロックアップ率が高いから、MTのような「直結感」を味わえるというわけなのでした。これ、運転好きが積極的にクロスビーを選ぶべき理由になりそう。

【9月13日】森に囲まれたグランピング場でV60試乗会

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すべてが刷新されたボルボV60の試乗会へ。会場は千葉市内にもかかわらず深い森に囲まれた、ラグジュアリーなグランピング場で、たしかにボルボの洗練された雰囲気には似合っているかも。

クルマは先代よりも車体サイズが大きくなるとともに荷室容量が増え、かつての「V70」のような立ち位置に。驚いたのは全幅で、先代よりも狭くなった1850mmという数値は日本固有の基準である機械式立体駐車場の全幅制限に配慮しているのだとか。ボルボ広報部は「これで売れなかったら、二度と日本サイドの要求を開発に聞き入れてもらえないでしょうね」と冗談っぽくいうけれど、結構マジかも。それはさておき、このクルマは結構ツボにはまりました。素直に欲しい(けど高くて買えない!)

【9月16日】たまにはスポーツイベントの取材

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たまには気分を変えてスポーツの取材。直前の全米オープンで優勝した大坂なおみ選手が出場するということで大盛り上がりの「東レ パンパシフィックオープン」に出かけてきた。

といっても、取材するのは実際の試合でもなく予選日におこなわれた「トップ選手が子供たちにテニスを教える」というイベント。まさかこの時コーチ役だったカロリナ・プリスコバ選手が、数日後にこの大会で優勝するとは。当日の様子は「response」で。

【9月20日】潮風公園で取材3本立て

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自動車メディア撮影の“聖地”という異名も持つお台場の「潮風公園」にて、撮影3本立て。合計3台のクルマをみっちり取材してお腹いっぱい。

【9月26日】キャデラック試乗会

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河口湖のほとりにあるオープン前の高級リゾートホテルを舞台に、キャデラックの試乗会。まずは最新SUVの「XT5クロスオーバー」。

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続いて巨体が魅力のエスカレード。とにかくデカい!

どちらも「プレミアム」よりも「ラグジュアリー」という言葉が似あう大型SUVで、コストパフォーマンス的には欧州プレミアム勢よりもいいのが隠れた魅力だね。

【9月28-29日】軽井沢で新型Cクラス試乗会

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軽井沢のホテルを拠点に、6500カ所も改良したという新型Cクラスの試乗会。素の「C180」にはじまり1.5Lターボエンジン+モーターのハイブリッド「C200」、最新ディーゼルエンジン搭載の「C220d」、そして“身近なAMG”である「AMG C43」まで2日間かけてじっくり味わう。

あらためて感じたのは、「C180」や「C200」のビシッと通った芯の太さ。たとえば峠道を走ってみると、俊敏なハンドリングとか驚くほど官能的な旋回性なんていう派手さはないけれど、車体の挙動が穏やかで、ジワリとロールが安定した感覚はさすが。なんか、かつて所属していた編集プロダクションで社用車として使っていた190もこんな感じだったなあ……。

390psの3.0Lターボエンジンを「AMG C43」は、セダンの革を被ったスポーツカー。こちらは何もかもが刺激的!

……というわけで、またまたあっという間に駆け抜けていった9月。気が付けばハロウィン、そしてクリスマスの足音が……。そういえば、今年買った愛車の冬タイヤはどうしようかな。

【工藤貴宏】
モータージャーナリスト、自動車ライター
自動車雑誌編集を経て、フリーランスのジャーナリストへ。新車紹介や試乗記事を中心に雑誌やWebに寄稿する。年間試乗台数は250台。「車は誰を幸せにするのか?」をテーマに独自の切り口でクルマを評価する。

text & photo by 工藤貴宏、edit by 木谷宗義

▼工藤貴宏の記事
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