【モーターショー①】日本の高度成長とともに育ってきた東京モーターショー・世界を驚愕させた新技術が目白押しだった

『ここをチェック』
★中国にも広がるモーターショーの熱気
★趣味性の高いイベントにも注目したい
★2023年東京モーターショーはJAPANオールインダストリーショーに

日本の高度成長とともに育ってきた東京モーターショー

世界5大モーターショーのうちの1つに数えられる東京モーターショーが始まったのは、終戦からわずか9年しか経っていない1954年(昭和29年)で、まさに日本の高度経済成長が始まる時期だった。全日本自動車ショウを名乗った第1回の会場は日比谷公園だ。当時の主役は商用車で、乗用車の出展はわずか17台だった。が、戦後最大規模のショーとして大評判となり、10日間の開催期間中に、なんと54万7000人の観客が訪れている。
その後東京モーターショーは、後楽園→晴海→幕張→台場と会場を移し、現在に至る。 60年にわたる長い歴史のなかで、最も来場者が多かったのは1991年の第29回東京モーターショーで、15日間の来場者は201万8500人(※①)。出品車両数783台という、世界第一級のショーにふさわしい記録となった。
しかし、新型コロナウィルスのまん延が収まらないこともあり、2021年の東京モーターショーはオンラインでの開催を含め中止となった。

2022年5月、日本自動車工業会はオンラインでの記者会見を開催している。この席で2023年の東京モーターショーについて、名称を変更すると発表した。「JAPANオールインダストリーショー」と改名する案が有力だったが、最終的に「JAPANモビリティショー」に名称変更している。これまでのモーターショーは、自動車メーカーなどの企業側が一方的に未来の自動車社会を見せていた。だが、近年はアメリカのネバダ州で開催されているCES(Consumer Electronics Show)のような電子機器の見本市に自動車メーカーが大挙して出展するなど、産業の垣根を越えている。こういったことも東京モーターショーの方針転換に大きな影響を与えたのだろう。10月26日(木)〜11月5日(日)まで開催する「JAPANモビリティショー2023」はモビリティの枠を超え、さまざまな産業と来場者との双方向で未来を考える場として開催されるイベントになる。近未来のコンセプトカーや次世代モビリティ、ZEVなどに加え、eモータースポーツ大会や日本の未来をつくるトークショーなど、リアルな体験を意識した演出になる予定だ。

 

補足情報

①入場者数ベスト10は?

60年にもおよぶ歴史を持つ東京モーターショー。その歴史のなかで入場者数のベスト10をランキングしたのが下の表。第1位は201万8500人を記録した第29回だが、奇しくも時はバブル末期の1991年だった。

 

 

■東京モーターショーの前身となる1954年の第1回全日本自動車ショウ。会場は日比谷公園

 

■後楽園で開催された第5回全日本自動車ショウ。1958年

 

 

■1959年からは会場を晴海に移して開催

 

世界を驚愕させた新技術が目白押しだった

煌びやかなコンセプトカーばかりではなく東京モーターショーは技術面でも世界から注目を浴びるモーターショー(※②)といえる。三菱が開発したサイレントシャフト、マツダが実用化に成功したロータリーエンジン、トヨタが実用化したアクティブサスペンションやハイブリッドシステムなどなど、例を挙げると枚挙にいとまがない。海外の自動車メーカーにとっては、むしろコンセプトカーよりもこちらを注視しているほど。

補足情報

②ショーで発表された新技術

世界各国の自動車メーカーが注目する日本のテクノロジー。過去、注目された新技術とは…
1963年/ロータリーエンジンの試作型を東京モーターショーで発表。その後1967年に市販車のコスモスポーツに搭載(マツダ)
1973年/副燃焼室システムCVCC(ホンダ)
1984年/世界初電子制御自動5段変速機NAVI5(いすゞ)
1987年/金属ベルトと可変プーリーを使用した世界初のECVT(スバル)
1987年/アクティブサスペンション(トヨタ)
1995年/アクティブスタビリティコントロール(三菱)
1995年/プリウスのベース技術となったトヨタハイブリッドシステム(トヨタ)

■1997年に発表された初代プリウスのプロトタイプは1995年の第31回東京モーターショーでお披露目された。スタイルは初代とはかなり異なるが、1.5ℓ直噴エンジンが搭載されることなどが発表された

 

■1995年の第31回ショーの三菱ブースで注目を集めたのが先行研究実験車、HSRの第5世代になるHSR-V。ミッドシップに搭載されていたのが1.8ℓの4G93型直列4気筒DOHC筒内直接噴射ガソリンエンジンだ。翌96年にギャランとレグナムに搭載され、時代の最先端をいく直噴「GDI」エンジンが正式デビューを飾った。

 

参考情報 ここもチェック!

ワールドプレミア、ジャパンプレミアってなんのこと?

さまざまなクルマが展示される東京モーターショーだが、展示されるクルマのなかにはワールドプレミア、ジャパンプレミアと呼ばれるクルマがある。ワールドプレミアとは世界で初公開されるクルマのことで、ジャパンプレミアとは日本で初公開されるクルマのこと。当然その数が多いほど注目度が高まる。ちなみに2017年の東京モーターショーにはワールドプレミアが64台。ジャパンプレミアが62台を含む380台が展示されたが、2019年のプレミアはかなり減った。

 

 

■2019年東京ショーでジャパンプレミアされたヴィジョンEQS

 

 

■2017年東京ショーでトヨタがワールドプレミアしたGR HVスポーツコンセプト

 

クルマ豆知識

例題/車歴13年超の普通自動車税率は次のうちどれ?
①10% ②15% ③20% ④25%(正解=②)

 

関連記事 【モーターショー②】いまや、中国、東南アジア、インドでも開催されている・クルマ趣味人を満足させるグッドウッドフェスティバル

現在申し込み受け付け中
くるまマイスター検定公式HP