【車検の基礎知識】すべておまかせ 格安 どちらも考えもの

『ここをチェック』
★ディーラー車検は高額
★格安車検は信頼できるか?
★ユーザー車検も意外と簡単

車検とは何をするのか?

業者に車検を依頼している人だと、車検ではどのようなことが行われているのかがわからないもの。一般的に車検と言われるのは、登録後のクルマが継続して使用できるか否かを検査する継続車検のことである。車検はその名前のとおりクルマの状態を検査するものだが、その検査に至るためには3つの書類審査がある。自賠責保険の加入、自動車税の納付、自動車重量税の納付だ。検査を受けるにはこの3つが揃っていないと受けられない。車検での検査項目は次のようになる。

 

●同一性の確認
車検証に記載されているクルマと同じか? を車台番号などを確認する

 

●外まわり、内回り
ウインカー、ハザードランプ、ヘッドライト、フォグランプ、ブレーキランプ、ワイパー、ウォッシャー、ホーンなどの作動、ガラスのひび割れ、ホイールナットの締め付け、タイヤの残り溝、エンジンルーム内のオイル漏れ、発煙筒の有無など下まわり以外の検査

 

●排ガス
排ガスの有害成分を計測機を使って検査

 

●サイドスリップ
クルマが真っ直ぐ走るかを計測機を使って検査

 

●スピードメーター
スピードメーターが正しく表示するかを計測機を使って検査

 

●ブレーキ
フットブレーキとパーキングブレーキを計測機を使って検査

 

●ヘッドライト
ヘッドライトの光量と光軸を計測機を使って検査。ライトの色に関しては検査員の目視(※①)による

 

●下まわり
クルマを検査台に載せて振動を与え検査。検査員目視による下まわりの検査

 


■運輸支局にある車検の検査ライン

補足情報

①検査員の目視

ヘッドライトの色については法規では色温度が指定されているが、実際の車検場では検査員が目視で判断するため、ばらつきが生じている。

高額なディーラー車検と激安車検なにが違う

自動車ディーラーに車検を依頼すると、とても高額な見積もりとなることがある。一方で、街中などで見かける激安車検の金額はとても安い金額となっている。この違いは何なのだろう? 車検に掛かる費用は法定費用、整備費用、手数料の3つが基本だ。法定費用についてはどこに頼んでも同額。異なるのは整備費用と手数料だ。なかでも大きな違いとなるのが手数料だと言える。
自動車整備工場などは時間工賃というものが決められていて、1時間いくらという工賃が定められていることが多い。たとえば、1時間の工賃が8000円などと決められていて、さらにこの整備の標準作業時間は○○時間などとなっている。たとえば、標準作業工賃1時間、時間工賃8000円、部品代1万円の作業を依頼すると1万8000円の請求となる。この積み重ねでディーラーは高額になりがちだ。加えて、ディーラーの場合は、車検を通すだけで整備だけでなく、車検時には万が一に備える整備も行う。たとえばあと半年くらいは持ちそうなブレーキパッドは交換してしまうとか、定期交換部品は劣化が無くても交換するなど、そういう安全策も採られるので高額になりがちである。
一方、激安車検は車検を通す最低限の整備しか行わない。純正部品ではなく安い部品を使うなどのことが行われるので、全体的に料金を下げられるのだ。しかし、安い部品が一概に悪い部品かといえばそうとは限らず、純正部品と同じ性能を持ったものであることも多い。ディーラー以外で車検を通すときは、部品を交換する場合はどのような部品を使うのかを確認するか、部品については自分で持ち込むなどのことでトラブルを避けられる。
ディーラーの整備工場の多くは指定工場といって、自らの整備工場で車検の検査までを行える工場が多い。このため指定工場(※②)は民間車検場と呼ばれることもある。一方で激安車検の場合はその形態がさまざま、指定工場となっている整備工場で数をこなすことで価格を抑えているところなどもある。
激安車検だからといって、手抜き的な作業をしたり、不良部品を使っているところが多いわけではなく、それらはごく一部だと考えていい。大切なのは見極めなのだ。

 


■指定工場は左の青い看板と右のオレンジ色の看板を掲げている。認証工場は右のオレンジ色の看板のみとなる

補足情報

②指定工場

指定工場は自社工場で車検まで行える。一方認証工場は分解整備が行える工場。業として(つまりお金をもらって、商売として)分解整備をする場合は、最低でも認証工場でなくてはならない。整備士の資格があっても、認証工場でなければ業としての分解整備はできない。

参考情報 ここもチェック!

少し知識があればユーザー車検も簡単

ユーザー車検というのは持ち主が車検場にクルマを持ち込んで検査してもらう方式。電話かインターネットで予約してから車検場に向かう。当日までに整備をして検査を受けて、もし不合格だったら不合格の部分を車検場の近くにある「テスター屋さん」と呼ばれる車検整備専門の整備工場で調整してもらえばほとんどの場合は、車検に合格することができる。ただし、それはその時点で車検に合格できる車両であったというだけで、その後の車検期間が安全なクルマであることが保障されているわけではないので注意。はじめてのときは、事前に車検場を訪れて書類を入手したり、検査ラインを見学するといい。また、車検を受ける前に「テスター屋さん」で検査を受けておけば、より車検の合格率はさらにアップする。

クルマ豆知識

例題/ETCのCはなにを示しているか?
①Collection ②Car ③Change ④Coin(正解=①、支払いの意味)

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