【各種交換パーツ】どんなパーツが交換必要か?

『ここをチェック』
★交換時期はメーカー指定の頻度で
★ディーラー以外も上手に活用
★ポイントポイント

オイルばかりを気にしないで

クルマの消耗品というとエンジンオイルが重視されて、エンジンオイルの交換だけは頻繁に行うものの、そのほかは無頓着という人も見られる。大切なのはさまざまな消耗品をきちんと交換していくことです。消耗品をきちんと交換することで、さまざまなトラブルが防げる。また、交換頻度はトラブルがない限り、メーカー指定の頻度で問題はない。メーカーは余裕を持った走行距離、期間で交換頻度を設定している。
現代のクルマの多くはFFでATなので交換するオイルはエンジンオイルのみということが多い。MTの場合はミッションオイル、FRや機械式4WDでデファレンシャルケースが独立しているものはデフオイルの交換も必要。最近はATFも交換サイクルが提示されているので、それに従えばいいだろう。ATは内部にゴミなどが入ることを極端に嫌うため、設備がしっかりした工場で行うことが大切だ。
意外と無頓着なのが冷却水やブレーキフルードの交換。ディーラーなどに車検を依頼している場合は交換をすすめられるので気付くこともあるが、格安車検などを利用し交換部品をできるだけ減らすオーダーをしていると何年もそのままということもある。ブレーキフルードは2年ごと、冷却水はLLC(※①)と呼ばれるものは2年ごと、スーパーLLCと呼ばれるものは新車から16万kmもしくは7年、その後8万kmもしくは4年と長寿命だ。

 


新品のブレーキフルードは透明なので写真はかなり劣化していることがわかる。ブレーキフルードはパッドが減ると液面が下がるが、減少しているわけではない

補足情報

①LLC

LLCと呼ばれるものは緑もしくは赤、スーパーLLCと呼ばれるものは青、もしくはピンクとなっている。いずれも混合すると濁りが生じてしまい、エンジンからのオイル漏れなどで濁っている際の確認が遅れるので混合するべきではなく、補充の際は同じ色のものを使うのが基本。

タイヤやワイパーなどゴム類

クルマにはゴム類のパーツも多く使われている。なかでもタイヤは重要パーツのひとつだ。タイヤ交換はスリップサイン(ウエア・インジケーター)が現れてからと思っている人も多いようだが、スリップサインが表示された時点ではすでに限界で使えない状態。スリップサインは残り溝の深さが1.6mmになると表示されるが、理想は残り溝4mmと言われている。また、年数も関係あり約5年がタイヤの賞味期限とも言われる。タイヤはディーラーでも交換できるが、タイヤ専門店を使うのも賢い選択。タイヤ専門店は知識も豊富で自分の使い方にあったタイヤを選ぶことができる。
タイヤと同様にゴム製品となるが、ワイパーだ。ワイパーは交換頻度が指定されていないが、使ったときにスジが発生するようになってきたら替え時だ。交換するときは前後すべてのワイパーを同時に交換したい。リヤワイパーだけ交換せずにゴムが取れてしまい、金属部分でガラスをこすってガラスが傷だらけなどということは避けたい。ワイパーは金属部分のブレードごと交換するだけでなく、ゴムだけを交換することも可能。ブレード部分に錆びやガタが発生していなければゴムのみの交換でいいだろう。ワイパーははっ水加工対応のものと、未加工対応のものがあるので選ぶときに注意したい。
エンジンルームの中にもゴム製品は存在する。ベルト類やマウント類だ。ベルト類は10万km程度の交換サイクルとなるが、ベルトを交換せずに断裂した場合はバッテリーが充電されなくなる、エアコンが効かなくなるといったトラブルを引き起こすので、指定の距離か期間で交換したい。また、エンジン内にタイミングベルトを使用しているクルマの場合は、10年および10万kmごと(※②)にタイミングベルトの交換が指定されていることが多い。タイミングベルトが切れると、エンジン各部の動きがバラバラになり、部品同士の接触により最悪の場合はエンジンが破損する。マウント類はとくに交換サイクルは提示されていないが、振動などが増した際には交換することで解消することが多い。ただし、作業が大がかりになりがちで工賃が高くつくことが多い。

 


オルタネーターとエアコンのコンプレッサーを回しているベルト

補足情報

②10年および10万kmごと

国産車は10年および10万kmごとだが、輸入車の場合はもっと短い距離であったり、期間も指定されていることもある。いずれも指定距離、指定期間のどちらか早く訪れたほうで行うのが基本。

ブレーキパッド&シュー、フィルター類、バッテリー

多くの交換部品は何kmや何年という指定があるがブレーキパッドとブレーキシューは交換時期が指定されておらず、減ったら交換ということになる。純正のブレーキパッドはウエア・インジケーターが装着され交換時期になると異音を発するようになっているが、スポーツバッドなどに交換した際はウエア・インジケーターがないこともあるので、目視で確認するしかない。また、ドラムブレーキのシューも分解して確認するしか減りを知る方法がない。もっともドラムブレーキはリヤにのみ使われることが多く、5万〜10万kmはもつと言われている。

 


ブレーキパッドに取り付けられている金属のベロがパッドに触れることで異音を発して、減りを知らせるウェア・インジケーター

 

フィルター類で一番に気になるのはエンジンのエアフィルターだろう。一般的にエンジンのエアフィルターは4万kmが交換時期とされている。ただし、ほこりっぽい場所で走行が多いなどのシビアコンディションの場合は2万kmでの交換が推奨されている。エアクリーナーはエアクリーナーボックスとその中に収められるエアフィルターはで構成され、エンジンルームの比較的見やすい位置に配置されることが多く、工具を使わずにボックスのフタを空けられるものも多数ある。多くの車種はエアコンにもエアフィルターが装着されている。エアコンのエアフィルターはグローブボックスの裏側などに配置されていることが多い。取扱説明書に交換方法が記載されている場合もあり、そうしたものはDIYでの交換も容易だ。エアコンのエアフィルターは2年に1度程度で交換することがすすめられているが、花粉症などの人は1年に1度程度にするのもいいだろう。
最近のクルマのバッテリーは非常に過酷で劣化しやすい傾向にある。そのもっとも大きな要因はアイドリングストップにある。アイドリングがストップすると言うことは再始動の回数が増え、バッテリーは今まで以上に仕事をしなくてはならないからだ。バッテリーの劣化を知るにはバッテリーテスターで計測する程度しか方法がない。一般的なバッテリーテスターは放電を伴うので、その放電によってバッテリーが使えない状態になることもある。もっともバッテリーテスターでの計測で使えなくなるバッテリーは、すでに寿命だったと考えていいだろう。以前はセルモーターの勢いがないとか、ウインカーに連動してライトが暗くなるなどが目安だったが、エンジンの始動がボタン式となり、ライトがLEDになるなどしてそうしたことも目安にしにくくなっている。一般的なテスター(サーキットテスター)で電圧を測り、11V台なら充電器で充電してみて12V台に上がればまだ使えるが、11V台なら交換したほうがいいだろう。

クルマ豆知識

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