【メンテナンス②】日常点検整備のほか、異変の兆候にも敏感に
日常点検整備のほか、異変の兆候にも敏感に
ドライバーが行うべき「日常点検整備」は、長距離走行の前や洗車、給油時などを目安に実施できる点検。また走行中でも、普段と違うにおいや音、振動などを感じたら早めに点検を行ないたい。あくまで基本的なものではあるが、点検すべき項目はタイヤ空気圧/タイヤの亀裂、損傷/タイヤの溝の深さ・異常摩耗/エンジンのかかり具合、異音/ブレーキペダルの踏みしろ/ライト・方向指示器の作用/ブレーキの利き具合/エンジンの状態などだ。
そのほか、ディーラーや専門工場などに持ち込んで定期的に点検を行ない、そして必要があればパーツ交換を行なうべき代表的なポイントは下のとおり。
バッテリー
多くのバッテリーは2年または4万㎞保証であるため、基本的には車検ごとに交換。夜間走行が多い場合などはさらに早めの交換が必要となることもある
スマートキー
スマートキーは内蔵されているボタン電池の容量がなくなると作動しなくなる。精密ドライバーなどでカバーを開ければ、自分で交換できるものも多い
エンジンオイル/フィルター
近年のクルマは走行1万~2万㎞ごとに交換推奨となる場合が多い。一般的にはオイル交換2回につき1回はフィルターも交換するのがおすすめ
スパークプラグ
電極が消耗すると火花が飛びにくくなり、異常燃焼を招くことも。通常タイプのプラグは2万㎞ごと、長寿命タイプは最大10万㎞が交換の目安だ
エンジン冷却水
LLC(ロングライフクーラント)と呼ばれるエンジンの冷却水。以前は2年ごとの交換が一般的だったが、最近のクルマは交換サイクルが長期化傾向にある
タイヤ
月に一度はエアゲージで空気圧をチェックし、必要があれば調整する。表面のキズやヒビ割れもチェックし、スリップサインが出た問答無用で交換を
エンジンオイルは古い世代のクルマであれば走行5000㎞ごとを目安に全量を交換する。ただ、近年のクルマはオイル交換の指定サイクルが伸びており、1万㎞から2万㎞ごとの交換を推奨している場合が多い。
自動車用バッテリーの耐用年数や耐用走行距離はメーカーやグレードにより異なるが、一般的には3年程度で、4年を超えるとトラブルが生じる可能性が高くなることを覚えておきたい。
スパークプラグも一種の消耗品であり、劣化してくると電極が消耗して火花が飛びにくくなる。また発火部に燃えたカスがたまって異常燃焼(プレイグニッション)を招き、電極溶解などのトラブルを起こすこともある。交換時期の目安は通常タイプのプラグの場合1万5000~2万㎞ごとで、長寿命タイプでは最大10万㎞が目安となる。
ウインドウウォッシャー液
他のパーツに比べて軽く見られがちな部分ではあるが、これが切れてしまっていると安全運転をするうえで重大な障害にも。発進前に必ず量を確認したい
補機ベルト
エンジンの回転をウォーターポンプやオルタネータ(発電機)などに伝えて作動させるベルト。定期点検時に張り具合やヒビ割れなどの有無を確認する
エアコンフィルター
エアコンフィルターも自分で交換が可能。グローブボックスの奥などに装着されていることが多く、工具なしで交換できるものがほとんど
ブレーキ
一概には言えないが、ブレーキパッドの寿命は普通車で3万~4万㎞ほど。パッド交換2回につき1回の割合でブレーキディスク交換が必要になることも
エアクリーナーエレメントト
汚れていたり、目詰まりを起こしているエアクリーナーエレメントをそのまま使うと、エンジン性能が低下して燃費も悪化。5万㎞ごとを目安に交換を
ワイパーブレード
ゴムにヒビ割れや裂け目があったり、拭いた後にスジが残る、拭きムラがある、ビビリ音がする……となったら要交換。紫外線だけでも劣化するので要注意
参考情報 ここもチェック!
「指定工場」と「認証工場」の違いは?
自動車整備工場の入口付近などには「○×運輸局長認証普通小型自動車分解整備事業」などと書かれたパネルが掲示されている。
しかしよく見てみると「○×運輸局長認証」と、「○×運輸局長指定」の二種類があることがわかる。
この「指定工場」と「認証工場」は何が違うのかといえば、どちらも国から自動車の整備をすることを認められた工場ではあるのだが、異なるのは検査方法。
指定工場は「民間車検場」とも呼ばれ、陸運支局に代わって車検検査を行うことが可能。そのため、陸運局と同じ検査ラインを自社の工場に持っている。
いっぽうの認証工場は、点検整備や修理などは指定工場とにできるが、車検検査ラインを自社に持っていないので、実際の車検検査は運輸支局に直接持ち込む必要がある。