【タイヤ&ホイール②】タイヤ側面に書かれている記号の読み方は?・「ホイール」についても押さえておこう

タイヤ側面に書かれている記号の読み方は?

タイヤのサイドウォールにはサイズや偏平率、速度記号、ロードインデックス(LI)、製造年週などさまざまな情報が表示されている。その見方は左記のとおりだが、ここでは「ロードインデックス」ついて若干の説明をしておこう。ロードインデックスとは、規定の条件下においてタイヤ1本で支えることができる最大負荷能力を示す指数。ちなみに下図のLI=87の場合、負荷能力は単輪で545kgということになる。ただし空気圧によってこの負荷能力は変わってくることも覚えておこう。

このロードインデックスは日本のJATMA(日本自動車タイヤ協会)のもので、ヨーロッパのETRTO(欧州タイヤ&リム・テクニカル・オーガニゼーション)のロードインデックスとは異なる。ETRTOの規格ではXLといって、空気圧を高くして受けられる荷重を向上できる規格があり、日本で販売されるタイヤもXL規格に適合している製品も存在する。注意が必要なのはJATMAとETRTOではロードインデックスに対応する荷重が異なること。たとえば空気圧210paでの耐荷重は、JATMAの「87」が505kgであるのに対し、JATMAよりも数字の大きいETRTOの「91」は475kgとなる。ただしETRTO規格でXLに対応している場合、空気圧を290paとすれば615kgまで対応できる。
また、近年は空気の代わりに窒素ガスをタイヤに充填する人も増えている。窒素は酸素と比べてゴム分子の隙間を通り抜けにくいという性質があるため、自然な空気圧の低下が起こりにくくなる。また水分を含まないので、温度が上昇しても空気圧の変化は少ない。さらに酸素や水分を含まない不活性ガスのため、タイヤとホイールが傷みにくいなどのメリットがある。

JATMAとETRTOのロードインデックスと耐荷重の対応表

 

タイヤサイズ表示の見方


※1 タイヤサイズ表示の見方
215 =タイヤ幅の呼称(mm)
45 =扁平率(%)
R =ラジアル構造
17 =リム径の呼称(インチ)
87 =ロードインデックス(LI ):単輪
V =速度記号

 

※2 製造週
2000年以降は4桁の数字で製造年と週が示され、この場合の34は34週=8月ということ

 

※3 製造年
最後の2つの数字が製造年を表す。この場合の12は2012年に製造されたということ

「ホイール」についても押さえておこう

細い車軸の回転で移動距離を大きくするため、円周の大きなタイヤを車軸に接続する役割を果たしているのがホイール。その素材はかつてはスチール(鉄)であるのが一般的だったが、その後はアルミニウム合金やマグネシウムの合金へと変化してきている。主流はアルミニウム合金で、商品名などで「アロイホイール」となっているのは「合金ホイール」ということだ(英語で合金=アロイ)。
構造的にはワンピース構造とツーピース、スリーピースがあり、スリーピース構造はデザイン重視のホイールに多い。また製造法には「鋳造(型に流し込んで固める)」と「鍛造(圧力を加えて強度を高めながら成形する)」があり、鍛造のほうが軽量で強度が優れるため、モータースポーツなどでも鍛造ホイールが主に使われる。が、鍛造ホイールは高価になるのが一般的だ。 サイズやP.C.D(Pitch Circle Diameter=ボルト穴ピッチ円直径)の見方は下図のとおり。

ホイールサイズの見方

Ⓐ リム中心線
Ⓑ ディスク内面
Ⓒ インセット
Ⓓ リム幅
Ⓔ リム径
Ⓕ フランジ
Ⓖ P.C.D.
Ⓗ ハンブ
Ⓘ ハブ径

タイヤサイズ表示の見方

参考情報 ここもチェック!

タイヤ&ホイールの"インチアップ"とは?

クルマを購入した後、タイヤとホイールの「インチアップ」を行うユーザーも多い。
インチアップというのは、例えば215/60R15が純正サイズであるクルマのホイール径を2インチアップして225/45R17などにすること。つまりはタイヤの外径は変更せずにホイール径を大きくし、タイヤを低偏平率タイヤに変更するということだ。
主にはファッション性の向上やグリップ力向上のために行う行為だが、過度のインチアップを行うと安全性の面で問題が生じたり、バネ下重量が増加することで乗り心地が悪くなる場合があるなどのデメリットもある。
また、「タイヤの外径は変えない」という原則を破ってしまうと、カーブを曲がってロールしたときにタイヤがホイールハウスと接触することも考えられる。カッコいいからと、インチアップしたがる人も多いが、やり過ぎは危険だ。もちろん車検にも受からない。

■主にファッション性の観点から行なわれるインチアップ。タイヤ外径を同じにすれば基本的には問題ないが、やりすぎると操縦安定性の悪化などを招くこともある

■主にファッション性の観点から行なわれるインチアップ。タイヤ外径を同じにすれば基本的には問題ないが、やりすぎると操縦安定性の悪化などを招くこともある

クルマ豆知識

例題/タイヤのスリップサインは残り何mmで出現するか?
①0.6mm ②0.3mm ③1.8mm ④2.0mm(正解=①)

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