【モータースポーツ総論①】FIAのもと、各国に管轄団体が存在
『ここをチェック』
★基本的には各国にひとつある管轄団体(ASN)がその国で行われるモータースポーツを統括、運営する
★世界中のASNを統括してるのがFIA(国際自動車連盟)
FIAのもと、各国に管轄団体が存在
1887年にパリで世界最初のレースが行なわれてから、世界中に広まり愛されるようになったモータースポーツ。各国でさまざまなカテゴリー、ジャンルのイベントが開催されているが、決して無秩序に乱立しているわけではなく、基本的には各国にひとつあるASN(各国の管轄団体)(※①)が統括、運営している。このASNを束ねるのがFIAこと国際自動車連盟だ。ちなみに、日本ではJAFがASNを務めている。
補足情報
①ASN(各国の管轄団体)
ナショナル・スポーツ・オーソリティーを意味する仏語(AuthoritySport Nationale)の略で、それぞれの国または地域でモータースポーツを統括する権能を持った組織として、FIAから公認された団体のことを指す。本文中にあるとおり日本ではJAF(日本自動車連盟)がこのASNにあたる。
FIA公認競技には国際格式、国内格式などの格式がある。国際格式の中で最も格式が高いのが世界選手権。F1やWRC、WECなどだ。2017年まで開催されていたWTCCは新たにWTCRという選手権として開催されている。
国際格式には国際、地域の選手権があり、例えば日本にはスーパーGTやスーパーフォーミュラが、欧州にはGT3ヨーロッパ選手権が、といった具合だ。
もちろん、すべてがFIAの管轄というわけではない。ドイツ独自のツーリングカーレースのDTMは、FIAがその人気に目をつけ似たようなITCを新設し、のちにDTMとITCは統合されるという変わった経緯を持つ。
米国も独特の文化でモータースポーツが盛んな国だ。ACCUSというFIA加盟ASNの下に多くの独立した組織があり、FIAルールに準拠しながらも独自の競技、インディカーやNASCAR(※②)などを開催している。
補足情報
② NASCAR
アメリカ最大のモータースポーツ統括団体である「全米自動車競争協会」の名称であり、同団体が統括するストックカーレースの総称でもある。レースのほうのNASCARは、4輪市販車をベースに改造を施した車両(ストックカー)のレースで、アメリカ国内では非常に人気が高い。
■世界を転戦するフォーミュラ1。世界中のメーカーがしのぎを削っている
■F1と並ぶメジャー国際格式レースであるWRC。トヨタはヤリスで参戦
参考情報 ここもチェック!
ふたたび存在感を増す日本のドライバーと技術力
2017年、インディアナポリス500マイルレースで佐藤琢磨選手が優勝を果たしたのは記憶に新しい。
2018年にはトヨタがル・マン24時間レースで優勝。ル・マン初優勝の日本車はマツダ。最初の日本人優勝ドライバーは関谷正徳氏。2018年のトヨタの初優勝は、日本人ドライバー(中嶋一貴選手)が運転する日本車が初めて優勝。さらに2022年までトヨタが連続優勝。現在5連勝中である。
また、2019年にはF1で長きにわたって低迷を続けていたホンダが、第9戦のオーストリアグランプリで優勝。同年は3勝を挙げた。よく2020年も3勝、そして2021年は前半の11戦を終了した時点で7勝を挙げている。2021年からは当時20歳だった日本人ドライバーの角田裕毅がフル参戦したこともあり、日本が再び注目を集めた。だが、ホンダはこの2021年をもってF1フィールドからの撤退を発表している。しかしながら2023年5月、ホンダの三部敏宏社長は、突如として2026年からのF1復帰を発表した。F1の規定が変わり、燃料が環境に配慮したカーボンニュートラル燃料になるし、エンジンとモーターの馬力割合も変わるというのが復帰の理由だ。アストンマーチンと組んでF1戦線にカムバックする。
例題/F1GPにおいて2006年にホンダエンジンで優勝したドライバーの名前は?
① 佐藤琢磨 ②ジャック・ヴィルヌーブ ③ジェンソン・バトン ④ルーベンス・バリチェロ(正解=③)