補助標識というものを覚えていますか？　標識の下に7〜8：30などと書かれた横長の標識のことです。7〜8：30のように時間が書かれている標識は理解しやすいと思うのですが、それ以外の補助標識はみなさんけっこう忘れがち、勘違いしがちです。たとえば、一方通行の出口にある車両進入禁止には「自転車を除く」という補助標識が付いていることをよく見かけます。この場合は自転車には一方通行を適用しない、どちらの方向にも進んでいいですよという意味になります。車両通行止めの標識のみが提示されている場合は、自転車は除かれていないので、自転車も通行できません。しかしこうした場所に自転車が入り込んでいることはよくあります。また、一時停止の標識には「自転車を除く」とはなっていないので自転車にも一時停止の義務があります。勘違いしやすいのが追い越し禁止です。追い越し禁止は補助標識で示されます。真っ直ぐの短い矢印と右に膨らんだ矢印に赤い斜線が入った丸形標識は、「追い越しのための右側部分はみ出し禁止」なので、右側にはみ出さずに追い越し（※①）をする分には違反にはなりません。

■多くの進入禁止標識には「自転車を除く」の補助標識が付く

■一時停止の標識には補助標識は付かないので、すべての車両、軽車両が一時停止する必要がある

じつは約10年前までは右折の矢印信号でのUターンは違反でした。しかし2012年4月1日に法規が改正されて右折矢印信号でUターンができるようになっています。この事実を知らない人がけっこういて、右折矢印でUターンをしたときに歩道から大声で違反だと騒がれたり、逆に右折矢印でUターンができないと思っているために、大回りをしている人がいます。現在はUターンができないのは転回禁止の道路標識や道路のペイントがある場所だけです。ただし、道路交通法には「車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。」とありますので、Uターンをするために後方に大渋滞が起きるような方法でしてはいけないということになります。

■この標識のある交差点はもちろんUターン禁止。もし、指定方向外進行禁止の標識だけならばUターンは可能となる。

道路には白または黄色の線が引かれています。これらの線がなにを表しているか？　覚えているでしょうか？まずはセンターラインにひかれている線です。

●センターライン
1.白い実線
　この線をはみ出しての走行が禁止
　道路幅が6ｍ以上の場合はみ出さずに追い越しが可能
　＊例外として道路の片側の幅が6m未満の道路に標示されている場合は、右側にはみ出しての追い越しが可能だが、以下の条件に該当する場合に限る。
　道路の右側部分を見とおすことができ、反対方向からの交通を妨げるおそれのないときで、左側部分の道幅がその車両の通行のため十分でないとき。かつ「はみ出し禁止」場所でないとき。
2.白い破線
　この線をはみ出しての追い越しが可能
3.黄色い実線
　この線をはみ出しての追い越しが禁止
4.黄色い実線と白い破線の組み合わせ
　黄色い実線側からのはみ出しての追い越しが禁止
　白い破線側からの追い越しが可能

●車両通行帯境界線（片側の車線を区分してる線）
1.白い破線、白い実線
　白い破線と白い実線の示す意味は同じで、車線をよりしっかり維持することが求められるような場合に実線が使われる。車線変更可
2.黄色い実線
　車線変更は禁止
3.黄色い実線と白い破線の組み合わせ
　白い破線側からの車線変更は可、黄色い実線からの車線変更は不可

■黄色い車両通行帯境界線は車線変更が禁止されている

■黄色い実線が白い実線をはさむセンターラインは、学校や幼稚園、保育園の近くなどとくに注意が必要な場所で使われることが多い

■最近は誘導ために道路にペイントが行われることも多いが、煩雑になるとそれぞれの意味がわかりにくくなることにもなりかねない。写真は高速道路の入り口で早めに合流使用とするクルマを誘導するためのペイント