【トヨタ自動車①】ダイハツを完全子会社化し盤石の体制に
『ここをチェック』
★2012年、GMを抜いて販売台数世界トップに返り咲く
★2020年3月期決算の営業利益は2兆円超え
★無駄の徹底排除と品質管理で大いなる成功を収めた
ダイハツを完全子会社化し盤石の体制に
トヨタ自動車は日本が誇る世界最大手の自動車メーカー。極端な円高の進行と東日本大震災の影響から2011年こそ生産台数は世界3位に転落したが、翌2012年には再び世界トップへと返り咲いた。2014~2015年度の営業利益は2兆円を超えたが、2016年度は為替の関係などもあり2兆円を割り込んだ。
トヨタの起源は、豊田佐吉が創業した豊田自動織機製作所にある。同社内に開設された自動車部が独立する形で1937年に誕生したのがトヨタ自動車工業で、販売を担当するトヨタ自動車販売と1982年に合併し、現在のトヨタ自動車となった。
自動車部の礎を作ったのは豊田喜一郎(佐吉の長男)だが、トヨタ自動車工業の初代社長が豊田利三郎(佐吉の娘婿)なことから、創業者は利三郎、喜一郎は実質的な創業者とされている。なお、豊田自動織機製作所の自動車部だった時代は「トヨダ」だったが、1936年より「トヨタ」に呼称が改められた。
トヨタの特徴はいち早く主査制度(※①)を導入したこと。初の本格的乗用車であるクラウンの開発時、1953年からエンジンおよび車両の設計から生産準備までを総合して推進する主査を選任している。この制度がもうひとつの特徴であるトヨタ生産方式とジャストインタイム(かんばん方式)による無駄の徹底排除とマッチし、確かな品質とタイムリーさを実現したことにより、トヨタは大いなる成功を収めたのであった。
補足情報
①主査制度
トヨタが1953年頃に採用した制度。一人の主査(チーフエンジニア)が、そのクルマの製品開発に関する機能を組織横断的に担当し、調整する制度。初代カローラの主査だった長谷川龍雄氏は「主査は物事の責任を他人のせいにしてはならぬ」などの"車両主査10ケ条"を残した。
昨今はいっそうのグローバル化(※②)を推し進め、「需要のある場所で生産する」という方針のもと、海外拠点への投資を積極的に行なっている。
補足情報
②いっそうのグローバル化
「需要のある場所で生産する」という方針のもと、トヨタは生産拠点の現地化を進め、現在では海外生産拠点数は27カ国/地域、計54拠点に。デザイン拠点や研究開発拠点も15カ所展開し、「開発・設計から生産、販売・サービスまで、一貫したグローバル化・現地化」を実現している。
トヨタの屋台骨を支えるクルマのひとつ、プリウス。PHVモデルも用意される
参考情報 ここもチェック!
かんばん方式ってどういうもの?
トヨタは効率的な生産を実現するために「かんばん方式」を採用する。
ジャストインタイム生産方式とも呼ばれるかんばん方式とは、必要な物を必要な時に、必要なだけ生産する方式。A工程で生産した部品をB工程で組み立てる場合、B工程で必要な数、欲しいタイミングをB工程からA工程に発注することで、A工程での作りすぎや在庫期間の長期化を防ぐことができるというものだ。
また、長期保管された部品ではなく最新の部品を使用することで品質が向上したり、工程数が多い場合はどこの工程で遅れが生じたかなどが一目瞭然になるといったメリットがある。
ちなみに、かんばんとは各工程でやりとりされる伝票のことを指し、近年は電子化している企業もある。
例題/日本車最後のリトラクタブルヘッドライト搭載車は?
①マツダアスティナ ②FD3S型RX-7 ③180SX ④GTO(正解=②)