【国内メーカー総論①】多くのメーカーが他社と提携し生き残りを図る
『ここをチェック』
★現在、乗用車を生産する主要メーカーだけでも8社が存在
★業界1位のトヨタは売上高29兆9299億円を達成
★トヨタ、ホンダ、日産の3社で約70%のシェア
多くのメーカーが他社と提携し生き残りを図る
1904年に国産初の自動車が生産されてから百余年、日本は有数の自動車大国へと成長した。現在、乗用車を生産する主要メーカーだけでも8社が存在し、トヨタの生産台数は2012年に世界トップに輝いている。その一方で、多くのメーカーが国内外の他社と資本提携や技術提携を結ぶなど、サバイバルの様相を呈している。とはいえさすがに新型コロナウイルスの影響は大きく、各社ともに業績には大きな影響が及んだ。
業界1位のトヨタは低コスト化と品質管理(※①)を徹底し、2020年度の売上高は29兆9299億円。そんなトヨタの資本傘下にあるのがダイハツとスバル。ダイハツは51・19%の株式をトヨタが保有する連結子会社(※②)だったが、2016年8月に完全子会社化された。一方のスバルは20.02%の株式を持つトヨタが筆頭株主。プラットフォームなどの共有化により効率的な開発が行なわれている。2020年度のトヨタとダイハツを除く6社の売り上げ合計が約32億円で、トヨタと約2億円しか変わらないということからも、いかにトヨタが巨大な企業体であるかがわかる。
補足情報
①低コスト化と品質管理
クルマの性能が高いのはもはや当たり前で、「それでいて安価」でないと売れにくいのが現状。そのため各メーカーは技術提携などにより開発コストを抑えると同時に、大型部品用プレス金型の耐久性を微妙に調節するなど、目に見えない部分での細かなコスト削減努力を日々続けている。
補足情報
②連結子会社
会計上の連結対象に含まれる子会社のこと。議決権の過半数の株式を有する場合や、それに準じる高い比率で株式を保有し、かつ役員派遣などを通じてその会社の意思決定を事実上支配できる場合、「連結子会社」となる。支配が一時的なものである場合は、連結子会社とはならない。
日産は世界販売台数で、2012年に5位に転落するも2017年は2位に浮上。43.4%の株式を有するルノーとの連携を強化。2016年10月には、三菱自動車株の34%を取得し、三菱の筆頭株主となった。
唯一の独立独歩なメーカーであるホンダは2011年から順次投入した軽自動車のNシリーズが堅調で、国内シェア2位を奪還。マツダはフォードと資本関係にあったが、2015年にはフォードはすべての株を売却、資本関係はなくなっている。スズキはフォルクスワーゲンが19.9%の株式を持つ筆頭株主だったが、転換社債によって資金を作り、フォルクスワーゲンから株を買い戻した。
●国産主要自動車メーカーの正式名称と売上高
業界トップのトヨタ自動車。営業利益が1兆円を超え、2挑円に迫る勢い
参考情報 ここもチェック!
主要8メーカー以外の自動車メーカー
主要8メーカー以外といえば、まず挙げられるのがいすゞだろう。ジェミニで一時代を築いたいすゞだが、現在は乗用車から撤退。トラックやバス専門で、三菱ふそうやUDトラックス、トヨタ系列の日野と覇を競いあっている。
その他には光岡自動車があり、1994年にロータス・スーパーセブン風のスポーツカーを開発、販売することで、国内では10番目の自動車メーカーとして名乗りをあげた。
その後、電気自動車(EV)メーカーは、その多くが撤退や破産となり、東京R&Dと、タケオカ自動車工芸が残っている程度だったが、「日本エレクトライク」が2015年に国土交通省より量産のための型式認定を認められ、16番目の自動車メーカーとしてスタートを切った。その後、2003年にゼロスポーツが電気自動車を製造し17番目の自動車メーカーとなるが、2011年に渦潮電気(現ビーマック)に事業譲渡。電動三輪車を日本で開発、フィリピンでの生産、販路拡大を目指している。
例題/最後のランエボとなった限定モデル、三菱ランサーエボリューション・ファイナルエディションの日本での限定数は?
①50台 ②500台 ③1000台 ④5000台(正解=③)
関連記事 【国内メーカー総論②】