【なくなってしまったものなくなりつつあるもの】希有な存在であったレザートップというクルマ・機械的進化によってなくなったもの
『ここをチェック』
★今思うとなんで? という不思議なもの
★市場が求めないために淘汰されたクルマ
★クルマの進化が装備を減らしていく
希有な存在であったレザートップというクルマ
自動車が生まれて100年以上の時が過ぎていった。そのなかには様々なタイプのクルマが登場し、そしてなくなっていった。
クルマが登場してしばらくは屋根がない、つまりオープンカーが基本だった。初期のクルマに屋根をつけると、騒音がこもって乗られたものではなかったとも言われている。そうしているうちに、やがて幌が付き、硬い屋根が付いた。幌はソフトトップ、硬い屋根はその名のとおりハードトップだ。
ところがハードトップなのにソフトトップのような雰囲気が欲しいというユーザーが出現した。そこに対応したのが「レザートップ」。トップを開けることはできないけど、まるでオープンカーが幌を閉めているように見えた……そんな不思議なクルマがレザートップと言われるクルマだったわけだ。
また、派手なデカール(※①)というものも多く流行った時代がある。クルマそのもののデザインを派手にするのではなく、デカールで目立つクルマに仕上げることも多かった。じつはこうした手法は、メーカーがクルマの存在を目立たせるために行っていることもあり、新しい名前のクルマが登場した際などは、デカールやエンブレムが大きくなる傾向にあった。
補足情報
①派手なデカール
下の写真は1979年から発売された日産のガゼール。ボンネットに派手なデカールが貼られ、その存在感を主張した。ボンネットのデカールは、GMのポンティアックから発売されてたファイアーバードのものが有名。ボンネットいっぱいに火の鳥が描かれたその姿は、非常に印象的であった。
レザートップを知らない人が見たら、ルーフがオープンできるのではないか?と思ってしまうエクステリア
機械的進化によってなくなったもの
かつて自動車のエンジンの吸気装置にはキャブレーターが使われていたが、現在は電子制御の燃料噴射装置となった。キャブレター時代は、始動時に濃い混合気が必要なときにはチョーク(オートチョークも存在した)という機構を使ったが、燃料噴射となってチョーク機構そのものがなくなった。点火時期を調整するためのディストリビューターも電子制御化されたために現在のクルマには装備されてない。
また、AT車の普及によって多くのクルマからクラッチペダルがなくなっている。あえてクラッチペダルと書いたのは、クラッチそのものはミッションの内部に存在しているから。DCTなどはクラッチペダルはないが、クラッチ機構は2つ備えている。
スカイラインGT-RのS20型エンジン。キャブレターが3つ装着されている
参考情報 ここもチェック!
昔は当たり前だったタバコに関すること
今やシガライターや灰皿はオプションとなっているクルマが多いが、かつてはシガライターと灰皿はクルマにとって不可欠な装備だった。シガライターを示すマークであるタバコの図柄も昔は掘られた部分に白い塗料が塗られていたが、途中から白い塗料を使うものが減り、目立たない存在となってきている。
しかし、シガライターを差し込む部分については今もアクセサリーソケットとして存在している。かつてシガライターが当たり前だったために、このソケットが存在し続けているわけだ。
①50台 ②500台 ③1000台 ④5000台(正解=③)