
地方にお住まいで自家用車をお持ちの方や、普段車を使う機会の少ない方には「カーシェア」はあまり馴染みのないサービスではないでしょうか?カーシェアとは、近年大幅にシェアを拡大しているカーリース業のサービスの一種です。
面倒な手続きや、営業時間に縛られる事なく手軽に利用できるため、都心部を中心に多くの方に利用され始めています。また、この様な手軽さから旅行先や出張先でも活用できるサービスと言えます。
この記事では、カーシェアがどんなサービスなのかわからないという方や、使う機会があるから詳しく知りたいという方向けに、カーシェアの仕組みやレンタカーとの違いなどを解説していきます。
目次
カーシェアとは?
カーシェアとは、「カーシェアリング」の略称です。レンタカーに似たサービスでありながら、面倒な手続きが必要ないため手軽に利用できる所が大きな魅力と言えるでしょう。
カーシェアというサービスは1998年に初めて日本で実用されましたが広く普及するに至らず、長年認知度が上がりませんでした。しかし、近年大幅にシェアを拡大し、都心部や空港・駅周辺を中心に多くの業者がステーションを展開しています。
カーシェアの仕組み
レンタカーと似ているものの、料金や保険などの仕組みは大きく違います。どの様な仕組みになっているのかチェックしてみましょう。
料金の仕組み
カーシェアは月会費+時間料金が基本です。時間料金は通常10〜15分/円という料金設定が多く、短時間からでも気軽に利用できます。主な3社の月会費と時間料金を調べてみました。
タイムズカー※1 | 880円(無料利用時間880円分込み)|15分220円~ |
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カレコ※2 | 980円(無料利用時間980円円分込み)|10分140円~ |
オリックスカーシェア※3 | 880円(無料利用時間880円分込み)|15分220円~ |
自動車保険の仕組み
レンタカーを利用した経験のある方はご存知かと思いますが、レンタカー利用時は別途保険加入の費用が必要です。
カーシェアの場合、保険加入の手続きや料金は必要なく全て月会費に含まれています。そのため、月会費と利用料金以外で必要になる費用はありません。
給油やメンテナンスの仕組み
保険と同様で、給油やメンテナンス費用は月会費に含まれているため全て業者側で負担されます。レンタカーでは長距離で使用した場合、返却時の給油料金が高額になりがちですが、そういうった心配がありません。
カーシェアの特徴
ここでは、カーシェアならではの特徴を解説します。利用するにあたり、自身に適したサービスであるか確認しておきましょう。
カーシェアは会員制のサービスが主流
カーシェアは会員制のサービスで、毎月月会費がかかります。月会費は低額な場合が多くそれほど負担になるものではありませんが、極端に利用頻度が低い場合は検討が必要です。
カーシェアは都心部や市街地が中心
主にカーシェアのサービスが展開されているのは都心部や、地方でも市街地の辺りが中心です。また、サービスの特性上空港・駅周辺・観光地にも多く展開されている様です。
対象的に、マイカーが必須という認識のあるような地域では、あまり普及されれていない傾向にあります。
カーシェアのメリット
カーシェアのメリットは一言で言えば「手軽さ」です。ではその手軽さと言える特徴にはどの様なものがあるのでしょうか?カーシェアの特徴を解説していきます。
空いていれば24時間利用可能
カーシェアは車も空きさえあれば、24時間予約・利用が可能なサービスです。そのため、急に車を使用する必要があるという場合でも対応できます。
ただし、空きがない場合はキャンセル待ちや別ステーションの利用などを検討する必要があります。
維持費がかからない
自家用車を所有していた場合、車検や自動車税の他にも定期的なメンテナンスや給油など、使用時に常に費用が発生してしまいます。また、都心部では駐車場代も高額になりがちです。
カーシェアの場合、これらの費用の負担は一切なく月会費と利用料金のみで車が使用できます。月会費自体も紹介してきた通り安価ですので、ステーションが近くにあり車の使用頻度の高い方には特におすすめ出来るサービスと言えるでしょう。
全国展開している業者なら出先・旅先でも
出張や旅行先まで自家用車で行くと、高速料金やガソリン代も高額になりがちです。しかし、飛行機や新幹線で現地に行くと、現地での移動手段に困る場合も少なくないでしょう。
全国展開しているカーシェア業者であれば、現地で必要な時に必要なだけ手軽に利用できます。また、カーシェアのステーションは空港周辺・駅周辺に設置されている傾向があるため、旅行や出張の際に最適なサービスと言えるでしょう。
カーナビ・ETC搭載車がほとんど
カーシェアでは、基本的にカーナビ・ETCは標準装備とされています。旅行先での利用や、遠出の際にも困る事はないでしょう。
カーシェアのデメリット
ここまで、カーシェアのさまざまなメリットを紹介してきました。メリットがあればデメリットも、もちろんあります。では、どの様なデメリットが潜んでいるのでしょうか?チェックしてみましょう。
清掃が行き届いていない場合も
無人のステーションが多く、清掃は基本的に利用者が行う事が前提であるため、業者側で清掃を行う頻度は低い傾向にあります。
そのため、前の利用者が清掃を怠っていると、車内が汚れていたりゴミが落ちていたりする場合もあり、衛生面で不安が残ります。そのため、感染症のリスクもあるので注意が必要です。
各業者で、清掃セットが用意されていますので、心配な場合は利用前にご自身でも清掃を行ってから利用しましょう。
元のステーションに返す手間が発生
日本で普及しているカーシェアサービスは「ラウンドトリップ方式」という方式が広く採用されています。この方式のカーシェアサービスは、利用後に借りたステーションに返却するという手間が発生してしまいます。
長時間利用の場合、実際に車を使用していない時間や返却までの時間も料金が発生しているので割高になる場合もあります。
長時間の使用には不向きな場合も
カーシェアサービスは、各業者で10分〜15分/円の時間料金が設定されています。それだけであれば、「長時間でも問題ないのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、利用時間が6時間を超えるなど長時間の利用になると、利用開始から起算して1km/円の「距離料金」が発生してしまいます。
そのため、合算すると割高になってしまう場合があるので注意が必要です。主な3社の距離料金をチェックしてみましょう。
タイムズカー※1 | 16円 |
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カレコ※2 | 16円~20円(利用クラスで変動) |
オリックスカーシェア※3 | 16円 |
予約が埋まっている場合は利用できない
24時間必要な時にレンタルできるカーシェアですが、当然ながらステーションに車がない場合は利用ができません。
急に車が必要になったのに、空きがなくて利用できないという場合は、最寄りの別のステーションを探す等の対応が必要です。
カーシェアとレンタカーの違い
ここまでカーシェアの特徴を紹介してきました。レンタカーを利用した経験のある方は何となくレンタカーとの違いがわかる方もいらっしゃるのではないでしょうか?ここからは、改めてレンタカーとの違いを解説していきます。
窓口での手続き不要
レンタカーを利用する際は予め予約を行い、店舗窓口で書類の記入など手続きが必要です。しかし、カーシェアの利用時はこういった手続きは必要ありません。
会員制であるため、個人情報は業者側に登録されているため、インターネットを介して予約手続きを行うだけで利用開始ができます。
手続きが不要で時間の短縮もでき、スムーズに利用できる点はレンタカーとの大きな違いと言えるでしょう。
10分や15分単位での料金計算
カーシェアの料金体型は、時間料金で10分〜15分刻みの時間料金が基本です。そのため、短時間利用であっても利用した分だけの支払いで済みます。
レンタカーの場合、最短でも3時間からの利用時間設定のため、どんなに短い時間の利用でも3時間分の料金が発生してしまいます。
保険・給油の費用がかからない
レンタカーを利用した経験のある方ならご存知かと思いますが、利用開始手続きの際に保険の加入と、返却時の「ガソリン満タン返し」が必要です。保険加入やガソリン代は、利用料金とは別で支払う必要があるため費用がかさむ要因と言えるでしょう。
カーシェアの場合、保険料・ガソリン代は月会費に含まれているので、これらの費用を別途支払う必要がありません。
利用可能時間
カーシェアは予約を行い、車の空きがあれば24時間利用可能なサービスです。
レンタカーでは、店舗の営業時間内にレンタル・返却が必要なため、深夜や早朝の利用はできません。深夜・早朝の急な用事にも柔軟に対応できるサービスと言えるでしょう。
こんな人にはカーシェアがおすすめ
ここまで紹介してきたカーシェアの特徴を見て、ご自身に合ったサービスかどうかご判断頂けたでしょうか?
ここからは、これまで紹介した特徴を踏まえ、具体的に「こんな人にカーシェアサービスをおすすめしたい!」と思う人を紹介していきます。ご自身の状況と照らし合わせて、参考にしてください。
活動範囲の近くにサービスステーションがある人
維持費も不要で自家用車感覚で車の利用が出来るため、都心部や市街地にお住まいの方近くにステーションがある方には特におすすめです。
また、地方にお住まいの方で都心部に頻繫に行くという方や、旅行に頻繫に行くという方にもおすすめできます。カーシェアであれば、現地で車が必要になった場合に手軽に利用できます。
車を定期的に短時間使う人
買い物や遊びなどで、車の短時間使用が多い方にもおすすめです。車の使用頻度が低いと、高額なランニングコストを払って自家用車を所有する意味がなく感じてしまう方も少なくないでしょう。
カーシェアであれば固定費で月会費がかかりますが、1000円以下の低額で済みます。頻度が増えた月があっても使った分の料金が加算されるだけなので、自家用車よりリーズナブルです。
自家用車の購入を躊躇している方は是非カーシェアの利用を検討してみてください。
高い維持費は払いたくないけど必要な時にすぐ使いたいという人
自家用車の維持費は高額です。都心部や市街地の場合、駐車場料金も高く自家用車を所有すると高額なランニングコストが発生するからです。
かと言って、維持費のかからないレンタカーでは店舗の営業時間の都合上、深夜・早朝の時間帯に急に車が必要になったとしても、すぐには利用できません。
24時間利用可能なカーシェアであれば、車検・メンテナンス費用・駐車場料金などがかからずに深夜・早朝の時間帯でも予約・利用が可能なため、こういった場合でも対応可能です。
輸入車などさまざまな車種に乗ってみたい!という人
カーシェアサービスでは、さまざまな車を取り扱っています。国産の軽自動車・コンパクトカー・ミニバンなどだけでなく、中には輸入車を取り扱っているステーションもあり、さまざまな車の運転を楽しむ事ができるでしょう。
カーシェアの利用手順・使い方を解説
カーシェアについて一通り解説してきました。ここからは、カーシェアの利用手順や使い方を解説していきます。利用前に、手順や使い方を予習しておきましょう。
1まずは入会手続き
利用するにあたり、まずは会員になる必要があります。入会方法はインターネットでの手続きがが一般的です。入会にあたり、運転免許証と料金の支払いに使うクレジットカードが必要なので、事前に準備しておきましょう。
入会手続きが完了すると、店舗での受け取りか郵送で、車の解錠に必要な会員カードを受け取ります。
2車を予約
利用する際は、まず予約を行います。予約が完了したらステーションへ向かい、いよいよ利用を開始です。予約は利用開始時間の直前までできます。
3会員カードを使って解錠
入会手続き後に受け取った会員カードを使用し、車の解錠を行います。各社で解錠方法が多少違う場合があるので、事前にチェックしておきましょう。
4グローブボックスから鍵を取り出し出発
車の鍵はグローブボックスの中に入っています。また、出発の際はスタンドサイン(車の前に置かれている看板)を、忘れずに車があった場所に置いておきましょう。
5見必要に応じ給油・洗車
給油・洗車は備え付けのクレジットカードを使用して行います。洗車料金は上限がある場合があるので、事前にチェックしておきましょう。
6ステーションへ返却
利用し終わったら、車を借りたステーションへ戻り、返却手続きを行います。次の利用者のために、返却前にきちんと清掃を行ってから返却しましょう。
7支払い
支払いは、入会手続きの際に登録したクレジットカードで決済されます。
まとめ
今回は、ここ数年で急速に普及し、シェアを伸ばしてきた「カーシェア」というサービスを解説してきました。
カーリースという分野で、レンタカーと似たサービスではあるものの、非常に手軽に利用できる便利なサービスであるというのがわかりました。
また、この手軽さと固定費の安さから、自家用車とレンタカーの中間という感覚を持った方も少なくないのではないでしょうか?
身近にステーションがある方は、是非一度「カーシェア」というサービスを試してみてください。