カーシェアは乗り捨て可能?やり方や料金、今後の展開など徹底解説

手軽に安く利用できるカーシェアサービス。日常生活や旅行先などさまざまな場面で利用する機会があるかと思います。その際、移動先で「乗り捨てが出来たら」と思う方も多いのではないでしょうか?

カーシェアサービスは時間料金であるため、長時間利用すると割高になるケースが多々あります。

そこで、調べてみたところカレコ・オリックスなどのカーシェア業者のホームページのQ&A欄などで多くの業者が「乗り捨ては出来ません」と回答しています。やはり乗り捨ては不可能なのでしょうか?

この記事では、カーシェアの乗り捨てのやり方やその他乗り捨てにまつわる情報を解説していきます。

乗り捨てできるカーシェアをお探しの方はぜひ参考にしてください。

カーシェアで乗り捨ては可能?

運転している男性

カーシェアと聞くと、「ステーションで車を借りて使用後は元のステーションに返す」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?

現在、日本で展開されているカーシェアサービスの多くはこの「ラウンドトリップ方式」と呼ばれるタイプのサービスです。

しかし、実はカーシェアには2通りの方式が存在しおり、乗り捨が可能てな方式もあります。まずはカーシェアの2つの方式を紹介します。

できるケース「ワンウェイトリップ方式」

乗り捨てができるケースとして該当するのが、この「ワンウェイトリップ方式」です。日本ではステーションで車を借りて、使用後は他のステーションに返却するという方式で「乗り捨て」という認識と言えます。

旅行先や遠出の際に、元のステーションまでわざわざ戻らなくて良いため、より気軽に利用できる仕組みと言えるでしょう。

 

本来のワンウェイトリップ方式と日本でのワンウェイトリップ方式ではサービスの内容が異なります。その内容に関しては、この後詳しく解説していきます。

出来ないケース「ラウンドトリップ方式」

駐車場に停まった車

乗り捨てが出来ないケースでとして該当するのが、この「ラウンドトリップ方式」です。ステーションで車を借りて、使用後は元のステーションに返すという方式です。

自宅の近くにステーションがあり日常使用のみという方には、特に不便もなく利用しやすい仕組みでしょう。しかし、旅行先や遠出の際には不便と感じる方も多いかと思います。

日本では、このラウンドトリップ方式が一般的です。カーシェアと聞くと元のステーションに返すのが当たり前だと思う方が多いと思います

乗り捨てできるカーシェア「ワンウェイトリップ方式」

乗り捨てができる「ワンウェイトリップ方式」。日本で認識されているカーシェアとは違った仕組みですが、一体どの様なサービスなのでしょうか?

特徴や、日本・欧米での違いから、サービス内容が異なる理由など「ワンウェイトリップ方式」を掘り下げて解説していきます

「ワンウェイトリップ方式」の特徴

走行中の車

日本ではあまり一般的ではないワンウェイトリップ方式。実際に欧米では広く普及しているものの、現在の日本で乗り捨てができるとされているカーシェアサービスでは、本来のワンウェイトリップ方式の特徴が該当しなケースが多いでしょう。

では、欧米でのワンウェイトリップ方式とは、どの様な特徴があるのでしょうか?さまざまな特徴を紹介しながら、日本での現状にも触れていきたいと思います。

ワンウェイトリップ方式の特徴
  1. 有料路上スペースでの乗り捨てができる
  2. 公営駐車場にも料金を支払うことなく乗り捨てができる
  3. 許可された域内なら路上乗り捨てが可能なフリーポート型
  4. 日本では限定的に普及している

有料路上駐車スペースでの乗り捨てできる

    日本国内では、都心部などで見かける有料路上駐車スペース。ワンウェイトリップ方式では、この様な場所にも乗り捨てが可能なため、あらゆる場所への移動手段として利用できると言えるでしょう

    公営駐車場にも料金を支払うことなく乗り捨てできる

    朝の駐車場

    市営などの公営駐車場にも乗り捨てができるとされています。有料路上駐車スペースとは違い、この場合は料金の支払いも必要ありません。

    許可された域内なら路上乗り捨てが可能なフリーポート型

    ダイムラー社が欧米で展開している「Car2Go」というカーシェア事業では、許可された域内であれば路上での乗り捨てが可能な「フリーポート型」が採用されています。

    フリーポート型は路上駐車が認められている国・自治体で、尚且つ自治体の承認を受けた場合のみ利用できるサービスです。

    まさに「乗り捨て」と言えるサービス内容で、非常に利便性の高い魅力的なサービスと言えるでしょう。

    4日本では限定的に普及している

    電話対応する受付の人ここまでは、欧米で普及しているワンウェイトリップ方式の特徴を紹介してきました。現在、日本での乗り捨ては「借りたステーションから、指定された別のステーションで返却」とされています。

    路上はもちろん、有料路上駐車スペースなどでの乗り捨ても出来ないため、欧米におけるワンウェイトリップ方式とは大きな差があると言えるでしょう。

    これを踏まえると、日本の「乗り捨て」をワンウェイトリップ方式と位置付けて良いのか疑問が残るところです。では、どの様な理由で欧米の様なサービスが展開できないのでしょうか?

    実際に既存のカーシェアサービスを利用したことがある方だと、何となく理由が想像できる方もいらっしゃるかと思います。

     

    法律の問題があるから

    ガベルと法律書

    まず挙げられるのが、法律による制約です。日本におけるカーシェア事業は、法律上「レンタカー事業」として分類されます。レンタカー事業の概要として挙げられるのは、この様な要件です。

    レンタカー事業に係る法律要件
    • 貸渡しのための有人の営業所の設置
    • 「使用の本拠の位置」を定める
    • 有人の営業事務所の設置
    • 車両の保管は場所は「使用の本拠の位置」から2km以内

    2014年に国土交通省の通達により規制緩和が行われ、ITの活用等で利用状況や整備状況が的確に把握できる場合に限り、ワンウェイトリップ方式の採用が可能となりました。

    スペースによる問題があるから

    規制緩和により、ワンウェイトリップ方式の採用は可能となりました。しかし、路上駐車が可能な道路は極限られた場所のみなため、フリーポート型の採用は不可能です。

    そのため、ステーションから別のステーションへ返却する形が、日本におけるワンウェイトリップ方式となりました。

    しかし、普及を目指すためには多くステーションを設置することが必要となり、国土の狭い日本では都心部を中心に限られた土地しか空いていないため、実現が困難な状況です。

    かと言って、土地のある地方などでは自家用車の所有が当たり前の地域も多く、「乗り捨て」や、カーシェア自体の必要性が少なく需要が見込めないといった側面があります。

    利便性・料金に影響する可能性もあるから

    沢山の札束

    利便性・料金は、スペースの問題とも密接な関係です。

    カーシェアの需要が多い都心部の場合、地価も高いため乗り捨て可能なステーションを多数用意する事により高額なランニングコストが発生します。そのため、料金も値上げせざるを得なくなるでしょう。

    また、業者側で車を元のステーションに返す手間が発生するため、需要が多いステーションで極端に車が不足して利便性に大きな影響を与える可能性が予測されます。

     

    フリーポート型は理想的な乗り捨てサービスですが、日本では実現出来ない様です。また現状の乗り捨てサービスの普及にも、多くの課題があると言えるでしょう。

    乗り捨てできないカーシェア「ラウンドトリップ方式」

    借りたステーションへ返却するという、日本でもお馴染みの方式。

    このラウンドトリップ方式で、近年大幅にシェアを拡大したカーシェア業界ですが、利用理由を見るとを「自宅近くにステーションがあったから」という理由がトップになっており、自家用車感覚で利用する方が多いことが伺えます。※1

    また、カーシェア業者の選択肢も多く、料金面・サービス内容で自分に合った業者を選択できます。そのため、ラウンドトリップ方式のカーシェアでも、さまざまな利点を実感している利用者も多いでしょう。

    出典・注釈

    日本で乗り捨て可能なカーシェアは「タイムズカー」のみ

    タイムズカーのロゴ現在、日本のカーシェア業者で唯一ステーション間の乗り捨てサービスを行っているのが「タイムズカー」です。タイムズカーは、かつて自動車メーカーであるマツダが展開していたマツダレンタカーを前身に持つ企業です。

    現在では、有料駐車場やレンタカー事業で知られる「タイムズ24」が展開しているカーシェア事業で、ステーション数・車両台数共に日本で最大の規模を誇っています。※2

    カード発行料 1650円
    個人プラン月額基本料金 880円(無料利用料金880円込み)
    時間料金(ベーシック|ミドル|プレミアム) 220円/15分|330円/15分|440円/15分

    個人プランの基本的な料金はこの様になっており、予約時にベーシック・ミドル・プレミアムと、サイズ別で各クラスに分類された車種の中にから用途に合ったサイズを選択します。

    クラスによって、それぞれ料金設定が変わる仕組みです。また個人プランの他に、家族プラン・学生プラン・法人プランが用意されています。

     家族プラン・学生プランは身分証明書の提示、法人プランは審査が必要です。

    また、時間料金の他に6時間~72時間までのパック料金や、ナイトパックが用意されており長時間の使用でもお得に利用可能です。

    長時間使用時の注意点として、6時間以上の使用の際は利用開始からの走行距離に16円/kmの距離料金が加算されます。

    タイムズカーでは、洗車・給油で割引が適用されるサービスや、TCPプログラムというカーシェアポイントが貯まるサービスもあり、ステージに応じなてお得特典が貰えます。

    マツダ自動車が展開していたサービスなため、車種はマツダの車両が多い傾向にあります。現在、タイムズカーでは乗り捨てはオプションとして、対応ステーションでのみ取り扱っています。

     乗り捨てを含むオプション使用時は、別途料金が発る生す場合があります。

    利用可能な地域は空港・駅周辺・都心部

    駅の中の写真タイムズカーで乗り捨てオプションに対応しているステーションは、2022年現在で全国で150カ所ほどです。

    タイムズカーの乗り捨てサービスの取扱いは2019年8月から開始しており、当初は一部の空港とステーション間での乗り捨てからサービスを開始しました。

    現在では、東京・千葉・神奈川の首都圏の市街地を中心に、北海道や九州の駅前店や空港敷地内のステーションで多く取り扱われている傾向にあります。

     対応ステーションはタイムズカーのホームページから検索が可能です。

    タイムズカーの乗り捨てサービスの利用方法・やり方3ステップ

    対応可能ステーションを検索

    タイムズカーのホームページの「ステーション検索」をタップ。「ステーションを探す」から「オプションから探す」欄にある「乗り捨て」にチェックを入れて、対応ステーションを検索します。出発ステーションと返却先ステーションが決まったら予約へ。

    料金・サービス内容をチェックして予約

    PCを操作する女性

    通常予約と同様、車種のクラスや装備品などのオプションを選択します。「乗り捨て利用」項目にチェックを入れ、返却先を選択し利用開始・返却日時を設定し予約。予約完了メールが届いたら内容に間違いがないか確認しましょう。各クラスの乗り捨てオプション料金を調べてみました。

    ベーシッククラス 3300円/回
    ミドルクラス 3850円/回
    プレミアムクラス 4400円/回

    また、空港周辺にあるステーションの利用時は、空港間の無料送迎も行っています。

    各ステーション指定の方法で返却

    ステーションによって、返却方法が異なる場合があります。通常と異なる返却方法の場合、ステーション検索時にステーションの「詳細」ページに記載されているので事前に確認しておきましょう。

     指定ステーション以外への乗り捨てを行うと、実費(保管料+移動費)+車両を定位置まで戻した時間までの延長料金が発生します。間違えのない様、返却しましょう。

    日本における乗り捨てカーシェアサービスの今後

    遠くまで続く道ここまで解説してきた通り、現在日本でのカーシェアの乗り捨てサービスは一部のみでしか取り扱いがありません。

    フリーポート型など画期的なサービスの実現は不可能で、現状のサービスの拡大も課題が多く急速な普及は難しいと言わざるを得ないでしょう。

    しかし、先程紹介したタイムズカー以外の企業でも、検証実験を行うなどの動きがあります。

    また、そういった企業に協力する自治体もあり、徐々にではありますが乗り捨てサービスの普及が進んでいく事が期待できるでしょう。

    タイムズカーでは対応ステーションを拡大

    主に乗り捨てサービスは、空港・新幹線が停車する駅などで需要が見込めるため、タイムズカーでは空港・駅周辺を対象にサービスの拡大を図っています。

    2022年2月には、神奈川・大阪の合わせて12のステーションで取り扱いを開始しており、今後も拡大を検討しているようです。

    検証実験の動きも

    実験を行う女性

    2015年4月に6ヶ月間、タイムズ24をグループ企業に持つパーク24とトヨタ自動車は、「Times Car PULUS i-ROAD Drive」として、小型EVパーソナルモビリティである「TOYOTA i-ROAD」を活用しワンウェイトリップ方式のカーシェアサービス実証実験を行っていました。

    その後、実証実験のノウハウを活かし、さらに実用性を高めた「Times Car PLUS×Ha:mo」へと名称を変更し、2015年10月から実証実験を継続しています。

    また、愛知県安城市が中心となってデンソーなどの企業と共に実証実験を行う他、オリックスカーシェアでは福島県会津若松市で局地的ではありますが、乗り捨てサービスの実用を開始しました。

    この他にも、規制緩和が行われた2014年以降、各企業・自治体で積極的に検証実験が行われています。

    まとめ

    カーシェアの乗り捨てができるのか?という疑問の答えから、カーシェアの方式・日本と欧米のサービス内容の違い・日本で乗り捨てサービスを利用する方法まで、様々な内容を紹介してきました。

    紹介してきた通り、日本での乗り捨てサービスの普及はまだまだ途上段階で、料金・普及率を見ても「手軽に」とは言い難いのが現状です

    ただ、内容に焦点を当てればタイムズカーで展開している乗り捨てサービスは、空港・駅の利用者をターゲットにした非常に利便性の高いサービスと言えるでしょう。

    この様に、各企業・自治体のアイデア・ITの活用により、日々利便性・実用性が増しているのもまた事実と言えるでしょう。

    先述した通り、現状では「手軽に」とは利用出来ない方も多いかと思います。なので「ここぞ」という時に、このサービスがあるということを覚えていてもらえたらと思います。

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