
「自動車の保険の種類はなにがあるのか」「どこまで補償してもらえるか知りたい」と、悩んでいませんか。保険には自賠責と任意のふたつがあり、このうち任意はさまざまな形式に細かくわかれています。
これから自動車保険に入るには、任意型のうちさまざまな種類をチェックすべきです。今回ははじめて自動車保険の利用を考えている人のために、自動車保険の種類を一覧で解説していきます。
目次
自動車保険の種類一覧
自動車保険は、以下の2種類の大きなカテゴリーにわけられます。
- 自賠責保険
- 任意保険
このうち任意型には3種類の補償対象と、7種類の保険にわかれます。詳細表をご覧ください。
補償対象 | 保険の種類 |
---|---|
相手 | 対人賠償、対物賠償 |
自分 | 人身傷害補償、搭乗者傷害、自損事故、無保険車傷害 |
自分の車 | 車両 |
これ以外にも保険会社ごとに特約を備えています。いわば基本的な補償に加わったオプションと考えましょう。代表例が弁護士費用の支援や、借りた車で事故に遭った場合に保険を使える仕組みです。
自動車は大きく2種類
自動車の保険はもっとも大きなカテゴリーで2つにわかれます。自賠責と任意です。それぞれの特徴や違いを覚えておきましょう。
自賠責保険
自賠責保険には「強制保険」という別名がついていて、車を買ったらかならず入らなければいけません。
自賠責の証明書をもっていないだけでも30万円以下の罰金という、厳しい処罰が待っています。
任意保険
任意保険はドライバー自身が加入するかどうか決められます。入らなくても違法にならず、好きなように車を走らせられるのです。
任意保険は会社によって違いますが、多種多様な補償形式が特徴です。加入者はここから好きなメニューを組み合わせて、車やプランなどに合わせて保険料を払います。
事故で大損しないためには任意保険が重要
一度交通事故が起きてしまうと、当事者は大きなコストを背負います。ケガで入院したり、壊れた車を直したりする必要があるからです。
それを防ぐ手段が任意保険です。自賠責だけではまかなえない範囲をフォローするためにも、任意保険の価値は高いといえます。
自動車保険の補償タイプ3種類
自動車保険の補償対象には3種類あります。
- 相手が対象の賠償責任保険
- 自分が対象の傷害補償保険
- 車両が対象の車両保険
事故ではケガだけでなく車の破損も想定されるので、3つすべてのチェックが重要です。それぞれの詳細をみていきましょう。
相手側が対象の賠償責任保険
まずは相手を対象にした賠償責任保険です。自賠責保険でカバーしてもらえる限度額をオーバーしたぶんにおいて、対人賠償をフォローしてもらえます。
ほかの車や通行人との接触があると、対人賠償の責任が生じます。自身の負担が軽い状態で解決するには、任意保険での対策が重要です。
自分側が対象の傷害補償保険
傷害補償保険は、自分や同乗者が負ったケガに対する補償です。
ケガによって通院や入院をしたり、手術をしたりするかもしれません。病院のお世話になる直接費用や働けないことへの補償額で、生活への影響を最小限に抑えます。
車両が対象の車両保険
車両保険は文字どおり、自身の車に補償してもらえます。事故が起きると車がダメージを負うので、高額の修理費用を要するでしょう。
車両保険にはあらゆる被害を想定した一般型と、接触事故や盗難などから状況を限定するエコノミー型があります。
自動車任意保険の7種類
自動車の任意保険は細かく7つにわかれます。
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 人身傷害補償保険
- 搭乗者傷害保険
- 自損事故保険
- 無保険車傷害保険
- 車両保険
対人賠償保険
相手を事故でケガさせたり死なせたりしたときの、損害賠償をカバーするものです。
事故でケガをした相手がこちらに責任があるとして、損害賠償を請求するケースがあります。治療費を払うように求める人もいるでしょう。そうしたときに実費負担を軽くできるのがメリットです。
対物賠償保険
対物賠償保険は、事故で壊れた相手の車や物に対する弁償をカバーします。壁や電柱のような公共物も対象です。
このようなリスクを想定する意味でも対物賠償保険は重要です。交通事故では相手だけでなく、周辺のものを壊しても賠償を要します。こちらも保険で一定のカバーが可能です。
人身傷害補償保険
保険に入っている人の事故による入院・治療費をカバーしてもらえます。ここでは自身の過失の割合は問われません。
金額の設定がカギを握りますが、負傷によって保険金が下りるのはメリットになります。金銭的な生活への悪影響を最小限に抑えたいところです。
搭乗者傷害保険
搭乗者傷害保険は、自身の側にいる同乗者がケガをしたときの損害をカバーしてもらえます。
自分の側において、本人以外に一緒に乗っていた人や家族のケガが補償先です。またケガの程度や部位で補償額が決まります。
搭乗者傷害保険は相手からの賠償金の有無に関係なく受け取れます。大切な人の生活を守るうえでも重要でしょう。
自損事故保険
自分一人だけの事故に対する保険です。カーブを曲がりきれずにガードレールにぶつかったり、スリップで電柱にぶつかったりする単独事故へのリスク対策になります。
無保険車傷害保険
無保険車傷害保険はほかの車と接触事故を起こしたとき、相手が無保険だったケースでの損害補償です。ひき逃げのように加害者がわからないままでも対象になります。
「保険に入っていないばかりに、生活が苦しくなる人はみていてつらい」という考えもあるでしょう。そのときに無保険車傷害保険が役に立ちます。
車両保険
車両保険は自分の車に対する補償です。交通事故に限らず駐車場のいたずらや台風・地震、飛来物などさまざまなきっかけで車がダメージを負うかもしれません。
車はいつ修理が必要になるかわかりません。事故が起きると車は確実にダメージを受けるので、車両保険で対策しましょう。
補償の種類は自動車保険会社により違う
上記の7種類以外にも、保険会社によってさまざまな特約があります。ここでは代表例として以下をみていきましょう。
対物全損時修理差額費用補償特約
相手の車に対する修理費用が、時価を超えてしまうときに発生する特約です。相手のために負担した金額のうち、時価をオーバーしたぶんの修理費に着目します。
これに被保険者の過失割合に応じて、上限50万円として保険金が下りるしくみです。
相手の車の時価以上の修理費用を求められると、不公平に感じる人もいるでしょう。そうした人をフォローするための特約です。
地震・噴火・津波危険「車両全損時一時金」特約
地震や噴火といった災害に車が巻き込まれた場合の特約です。噴火で大量の灰をかぶったり、津波や洪水で水没してしまったりした車を補償する目的があります。
日本では毎年大きな災害が起きているので、車が全損したときの備えが重要です。保険会社によっては、そうした対策ができる特約を用意しています。
弁護士費用等補償特約
事故によって相手への損害賠償を求める場合、弁護士に相談や委任をしたコストをフォローしてもらえる特約です。
保険会社によっては、自転車事故や暴力を振るわれる事件なども対象にしています。自動車保険をきっかけに、さまざまな法的トラブルに対応できるのがメリットです。
個人賠償責任特約
保険加入者が相手にケガをさせたり、物を壊したりしたときに補償してもらえます。
弁護士費用特約が自身から相手に責任を求めるためのフォローに対し、こちらは責任を求められる立場としてのコストをカバーするものです。
自身の責任で賠償が決まると生活に悪影響です。経済的なダメージを減らす対策も保険でできます。
他車運転特約
他人の車を借りて事故を起こしたときにフォローしてもらえる特約です。本来事故に見舞われたとき、保険は車の持ち主が加入しているものを使うからです。
以上の対策として他者運転特約が重要です。これがあれば借りた車による事故でも、保険は自分のものを使えます。車の持ち主には、少なくとも金銭的な迷惑はかけずに済むのです。
ファミリーバイク特約
125cc以下のミニバイクを対象とした特約です。通常のバイク保険より支払いが安いというメリットがあります。
たとえば自分が四輪車を使っていても、家族がミニバイクを使っていれば、そのぶんもセットで補償対象になるのです。
運転者限定特約
運転する側の補償範囲を決める特約です。次の3つのパターンがあります。
- 運転者だけでなくその配偶者や親族、子どもなどが対象の「運転者家族限定特約」
- 運転者と配偶者だけが対象の「運転者夫婦限定特約」
- 運転者だけの「運転者本人限定特約」
生活状況に合わせて、自分側における補償範囲を決められます。結婚や子どもが生まれたときなど、家族の状況に合わせながら特約を決めましょう。
メーカー独自で自動車保険を用意することも
自動車保険の会社だけでなく、メーカーが独自で設定するタイプもあります。メーカーは自社の車やパーツに対して、事故が起きたときの保険をサービスするのです。
保険や修理対応をセットでやってくれるうえ、独自サービスも受けられます。
自動車保険会社は3種類ある
自動車保険会社は3つの類型にわかれます。
- 3メガ損保
- 国内自動車保険会社
- 外資系保険会社
それぞれ規模やサービスが違うので、それぞれの特徴を確かめておきましょう。目当ての会社のタイプから保険を決める選択肢もあります。
3メガ損保
3メガ損保は日本国内の自動車保険会社のうち、とくに知名度や規模が大きいグループを指します。該当するのは以下のとおりです。
グループ | 所属会社 |
---|---|
東京海上グループ | 東京海上日動火災保険、イーデザイン損保 |
MS&ADインシュアランスグループ | 三井住友海上グループ、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険 |
NKSJグループ | 日本興亜損保、損保ジャパン、セゾン自動車火災 |
3メガ損保には、それぞれ有名な保険会社が統合されています。3グループだけで業界全体のシェアも大きいので、保険選びの際は要注目です。
国内自動車保険会社
国内自動車保険会社は、3メガ損保以外にもあります。最近はネットで商品展開するケースも増えてきました。
国内の会社は保険業法により内閣総理大臣の免許を受け、はじめて商品を展開できます。3メガ損保より小規模なものがほとんどですが、それぞれ独自のサービスにも注目してください。
外資系保険会社
外資系は海外法人が日本に参入したり、海外企業が一定水準以上の出資をしたりしている企業です。最近はこうした企業が通販型として、ネットを中心にサービスを展開しています。
多くの外資系はネットに拠点を設けることで、コストカットに成功しています。人件費や店舗の維持費などを節約しているぶん、保険商品もリーズナブルな傾向にあります。
よくある質問
まとめ
保険には自賠責と任意の2タイプがあります。このうち任意は補償対象や範囲などに応じて7種類あるのが特徴です。
これ以外にも災害による車の全損や、弁護士への相談などさまざまなコストに対応できる特約があります。
保険会社の種類にも3メガ損保だけでなく、国内・外資系とさまざまな業者が参入する状況です。今回の記事で示した保険業界の基本を念頭に、幅広い視野から理想の業者をみつけましょう。